iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

ミステリ関連

アガサ・クリスティーの傑作「五匹の子豚」16年前の殺人事件の真相

はじめに アガサ・クリスティーの「五匹の子豚」「カーテン」を読んだ。 特に、「カーテン」は名探偵ポアロ最後の事件で、最後ポアロ死んじゃうの~ 今まで、古典舐めてたけど、どちらもとてもおもしろかった。 「五匹の子豚」 「五匹の子豚」は、16年前の…

ぶっ飛んでる「この世の果ての殺人」

第68回江戸川乱歩賞受賞作。史上最年少、選考委員満場一致。 など、新聞の書評などでみて気になっていた「特殊設定」ミステリー、荒木あかねの「この世の果ての殺人」を読んだ。 というか、Audible(オーディブル)聴き放題に追加されていたので聞いた。 参…

ブログ改造計画#12日目 楽天のボタンも出したい1

先日、定番中の定番アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」を読んだ。 そして誰もいなくなった (クリスティー文庫) 作者:アガサ・クリスティー,青木 久惠 早川書房 Amazon 定番中の定番で、読んだはずなのにしっかり犯人を忘れていた私は大変楽し…

「#真相をお話します」真相はなかなかハード

このミス2023年 13位の結城真一郎著「#真相お話しします」を読んだ。 #真相をお話しします 作者:結城真一郎 新潮社 Amazon 私たちの日常に潜む小さな“歪み”、あなたは見抜くことができるか。家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変…

ハッシュタグ#ある朝殺人犯になっていた

藤井清美の「#ある朝殺人犯になっていた」を読んだ。 #ある朝殺人犯になっていた 作者:藤井 清美 Audible Amazon タイトルに#(ハッシュタグ)がついてるなんて面白い。 売れない芸人「浮気(浮気と書いてうきと読む)淳弥」28歳が、 知らぬ間にSNSで大炎上…

2023年このミス1位「爆弾」はエンタメ全開でオススメ

Audible(オーディブル)で今年のこのミステリーがすごいで1位の「爆弾」を読んだ。 久々、面白いミステリー読んだ。類家君のファンが増えそう。 爆弾 作者:呉勝浩 講談社 Amazon 作者 呉勝浩さんも初読みだし、なんとなく表紙のイメージから、勝手にゴリゴ…

このミスで感じる年の瀬

今年もこの季節がやってきた。 このミステリーがすごい!2023 このミステリーがすごい!2023年版 宝島社 Amazon 今年の表紙はジョジョだよ! 冒頭は、荒木飛呂彦先生のインダビュー。 1960年生まれ、62歳。 噂通りの年齢不詳だわー そして、今年の一位はこち…

最後にピースがハマる時の恐怖「怖ガラセ屋サン」

澤村伊智の「怖ガラセ屋サン」を読んだ。 怖ガラセ屋サン (幻冬舎単行本) 作者:澤村伊智 幻冬舎 Amazon 誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在――。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナ…

嘘つきは六人じゃないかもね。六人の嘘つきな大学生

六人の嘘つきな大学生 (角川書店単行本) 作者:浅倉 秋成 KADOKAWA Amazon 久々、ミステリらしいミステリだったな。 とはいえ結局、最後はどちらともとれる微妙な着地。 筆者は採用面接によほど深い恨みがあるのだろうか、人事の採用担当なんて、クソだ!と言…

よく考えたらせつない「フーガはユーガ」

伊坂幸太郎の「フーガはユーガ」を読んだ。 フーガはユーガ (実業之日本社文庫) 作者:伊坂 幸太郎 実業之日本社 Amazon 伊坂幸太郎史上もっとも切なく、でも、あたたかい。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い双子の兄弟が織りなす、「…

やっぱり爽快!「ホワイトラビット」

伊坂幸太郎の「ホワイトラビット」を読んだ。 ホワイトラビット(新潮文庫) 作者:伊坂幸太郎 発売日: 2020/07/10 メディア: Kindle版 兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付け…

「透明人間は密室に潜む 」今年のこのミス国内第2位!

阿津川 辰海の「透明人間は密室に潜む」を読んだ。 初読みの作家さんだが、最近よく名前をみかけるなーと思っていた。 透明人間は密室に潜む 作者:阿津川 辰海 発売日: 2020/04/21 メディア: Kindle版 透明人間による不可能犯罪計画と、意外すぎる動機。裁判…

「無惨」世界初の推理小説と日本初の推理小説を読み比べた

黒岩涙香の「無惨」を読んだ。 無惨 作者:黒岩 涙香 発売日: 2012/10/02 メディア: Kindle版 世界で初めて書かれた推理小説「モルグ街の殺人」は知っていたけれど、日本初の推理小説は知らなかった。 それがこの黒岩涙香(るいこう)の「無惨」(今はやりの…

結末を作らないリドルストーリー「追想五断章」」

米澤穂信の「追想五断章」を読んだ。 追想五断章 (集英社文庫) 作者:米澤 穂信 発売日: 2012/04/20 メディア: 文庫 大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光(すごう よしみつ)は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語(リドルスト…

前半で投げ出さなくてよかった「禍家」

三津田信三の「禍家」を読んだ。 禍家 (角川ホラー文庫) 作者:三津田 信三 発売日: 2013/11/22 メディア: 文庫 怪異が蠢く呪われた家で少年を襲う惨劇とは!?身の毛もよだつ最恐ホラー!12歳の少年・棟像貢太郎は、東京郊外に越してきた。しかし、初めて住むは…

「空蝉処女」~おとめ、と読むんですよ。

横溝正史の「空蝉処女」を読んだ。うつせみしょじょですって!キャーと思っていたら、「処女」とかいて「おとめ」と読ませるらしい。 ほーここはイコールなものなのか?ま、いいや。 どちらにしろすごいタイトルだ。 由利先生シリーズだか、由利先生が出てく…

「スイス時計の謎」選民思想ってやーねー

有栖川有栖の「スイス時計の謎」を読んだ。 スイス時計の謎 (講談社文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 2006/05/16 メディア: 文庫 2年に一度開かれていた“同窓会(リユニオン)”の当日、メンバーの一人が殺され、被害者のはめていた腕時計が消失! いったいな…

モロッコ水晶の謎

有栖川有栖の「モロッコ水晶の謎」を読んだ。 モロッコ水晶の謎 (講談社文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 2008/03/14 メディア: 文庫 とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生! 邸内にいた十人の中でグラスに毒物を混入でき…

ネタバレサイトを読んでも納得いかぬ「去年の冬、きみと別れ」

中村文則の「去年冬、きみと別れ」を読んだ。 なんかずっと気になっていた本と勘違いして?購入。 新聞の書評で読んだ… 警察ミステリで… 被害者だか加害者だかの人間ドラマがミステリを超えていて…もはや純文学?だ こんなミステリ読んだことないと誰かがコ…

「英国庭園の謎」国名シリーズ第四弾!

合本版を買ったので、今まで躊躇してた国名シリーズをまくっている。 火村英生〈国名シリーズ〉9冊合本版 (講談社文庫) 作者:有栖川有栖 発売日: 2019/09/27 メディア: Kindle版 合本版って、思うんだけど読み上げるときになんというかちょっとした「ため」…

風が吹けば桶屋が儲かる、かどうかはわからんけど今回は防災用品がすごく売れたよね「ブラジル蝶の謎」

有栖川有栖の国名シリーズ第3弾「ブラジル蝶の謎」を読んだ。 ブラジル蝶の謎 〈国名シリーズ〉 (講談社文庫) 作者:有栖川有栖 発売日: 2013/08/02 メディア: Kindle版 美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。何のために蝶の標本が天井に移さ…

「スウェーデン館の謎」と知らない国についてググる話。

有栖川有栖の「スウェーデン館の謎」を読んだ。 スウェーデン館の謎 (講談社文庫) 作者:有栖川 有栖 発売日: 1998/05/15 メディア: 文庫 取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家・有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深…

「呪いの塔」横溝先生×乱歩先生の仲良を知れ

横溝正史の「呪いの塔」を読んだ。 あんまり有名ではないけれど、傑作だと思う。 呪いの塔 (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版 軽井沢高原の朝もやの中にうっそりとそびえるバベルの塔。この塔の外側には放射線状に伸びた七つ…

「山名耕作の不思議な生活」始末の極意よりは贅沢とみた

横溝正史「山名耕作の不思議な生活」を読んだ。 山名耕作の不思議な生活 (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版 家並みもまばらな田舎くさい町の片隅に、十度ばかり往来に傾いたみすぼらしい家がある。その家には、天井がわりに…

恐ろしき四月馬鹿

いわゆるエイプリルフール 横溝正史のデビュー作という事で、登場人物も若者達でなんだか若々しい。 恐ろしき四月馬鹿 (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/16 メディア: Kindle版 なんとか島、とか悪魔のなんとかみたいないわゆる横溝先生ぽさはまだ…

「双仮面」由利先生の活躍を見よ

双仮面 「由利先生」シリーズ (角川文庫) 作者:横溝 正史 発売日: 2012/10/01 メディア: Kindle版 日本一の造船成金といわれる大富豪雨宮万造が、喜寿の祝いに造らせた黄金の模型船。船首にはダイヤが燦然と輝やき、その豪華さには誰もが眼をうばわれた。と…

Do you wanna drink?

お題投稿 おうち時間、慣れました? ええ、慣れましたとも。今まで通勤にかかっていた時間が丸っと自分の時間になるってことで、せこい話だが時給換算で2時間分儲かったってことだ。 え、毎日単行本買えちゃうってこと?マジで?そりゃすごいな。 そんな感…

「medium 霊媒探偵城塚翡翠」残り1/3からの一気呵成のたたみかけ!

いやぁ、さすがタイトルを総なめしただけある! 三冠獲得!「このミステリーがすごい!」2020年版国内篇 第一位「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング 第一位「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー 久しぶりにページをめく…

「ママは何でも知っている」古いアメリカコメディような

以前本屋でもらったチラシに載っていて気になっていた「ママは何でも知っている」を読んだ。 ママは何でも知っている (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:ジェイムズ ヤッフェ,James Yaffe 発売日: 2015/06/04 メディア: 文庫 毎週金曜の夜、刑事のデイビッドは…

「魔眼の匣の殺人」はワトソンが語り部から主役になった話だ

映画化で話題だった「屍人荘の殺人」の続編、「魔眼の匣の殺人」を読んだ。 魔眼の匣の殺人 作者:今村 昌弘 発売日: 2019/02/20 メディア: 単行本 その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。人里離れた施設の孤独な主は予言者と恐れられる老女だ。彼女は葉村譲と剣…