ミステリ関連
アガサ・クリスティーの「クリスマス•プディング」の冒険を読んだ。 英国のクリスマスの情景が楽しい。 表題作だけではなく、いくつかの短編が収められている。 収録されている短編 クリスマス・プディングの冒険 外国の王子が奪われたルビーを取り戻してほ…
辻村深月の闇祓を読んだ。 面白かったーーー! 人との距離感の測り方が分からないのか、転校生の白石要は最初たいそうな描かれ方をしている。 それが最終章ではとてもかっこよく描かれている。 家族を入れ替えながら闇を振りまいていく神原家。 イッキ読みが…
鏑木蓮の白砂を読んだ。 初読みの作家さんなので、この表紙と落ち着きのあるタイトルから固めの犯罪小説かな?と手に取った。 が、最近全く勘の当たらない私である。 ポンポンやり取りする刑事コンビの軽妙な会話が心地よい。 とくに、ベテラン刑事の大学に…
鈴峯紅也の「警視庁監察官Q 」を読んだ。 アイスクイーンと呼ばれるキャリア監察官「小田垣観月」のスーパーウーマンプリを堪能する小説。 幼いころの事故により、超記憶能力を手に入れた観月。ただし、引き換えにすべての感情を失ってしまう。 笑わなければ…
阿刀田高の「ナポレオン狂」を読んだ。 久しぶりだ。ついついこの方は・・・と調べてしまう。御歳89歳とのと事。 高校大学と一番乱読していた頃の作者がどんどん星になる昨今、やっぱりご存命だと嬉しいものだ。 さて、このナポレオン狂は1979年の直木賞受賞…
米澤穂信らしい、軽やかさの中にしんねりむっつりしたものが垣間見えるミステリー あらすじで、コミカル探偵物語とあるが、これコミカルなのかなー? 自意識が肥大したこの時期特有の痛々しさが少々苦しいのは私の心が汚いからか? あ、わかった。自分(私)…
湊かなえの「サファイア」を読んだ。 全ての宝石の名前がついた短編集だった。 例えば「真珠」という短編はこうただ。 たぬき顔のおばさんに会いに行く男の話。 昔モテていたのよ、と言い張るおばさんはどこにもてる要素が見出せず、ただ歯だけは真珠のよう…
相場英雄の「心眼」を読んだ。 見当たり班という警察組織に配属された若い警官が、スタンドプレーをするベテラン刑事にあこがれて彼の手法を真似しようと躍起になる成長物語。 警察組織内のしがらみもあって、ミステリーというよりは警察物語という感じ。 最…
あさのあつこの「おいち不思議がたり」を読んだ。ちょうど今NHKBSでドラマをやっているみたいで、タイムリーな時期によめた。 物語は、時代小説でもあり、ミステリーでもあり、主人公おいちに霊感があることがらSFでもあり、しかも父の跡をついで医師を目指…
松本清張の「点と線」を読んだ。 高校生の時にすでに「定番中の定番」として読んだが、令和の時代に再読するともはや「時代小説」として読んだほうがいいかも知れない。 何しろ、東京-博多が遠いのだ。そして、携帯もメールもないから「電報」でのやり取り。…
川上未映子の「黄色い家」を読んだ。王様のブランチBOOK大賞受賞、とあるけれど本屋大賞のノミネートされている。 私、この人の本を初めて読むのだが、こんな「怖い」話を書く人とは思わなかった。 なんとなく、「ゴッホの黄色い家」のイメージで絵画にまつ…
アガサ・クリスティの「満潮に乗って」を読んだ。 クリスティのタイトルの中ではあまり有名な話ではないとおもうが、しびれるくらい大どんでん返しだった。 相変わらず、最も犯人っぽくない犯人だったがとみせかけて、そのさらに裏をかく、みたいな。 とにか…
直木賞受賞、一穂ミチの「ツミデミック」を読んだ。 面白かったーーー!さすが。 物語は独立した5つの話からなる短編集だが、すべての話には「コロナ禍、パンデミックで人生を狂わせられた人」というテーマが根底にあって、タイトルのツミデミックは「罪✕パ…
堂場瞬一のAudibleオリジナル作品「闇をわたる:警視庁特別対策捜査官」を読んだ。 朗読は谷山紀章だ。(私知らなかったのだが、大人気の声優さんらしい。文豪ストレイドッグスで中原中也役をしている人とのこと) 確かに良い声だったが、Audibleの読み上げ…
初読みの作家、早見和真の「笑うマトリョーシカ」を読んだ。 今までにあまり読んだことのないジャンル(政治とジャーナリズム)の話だったが、とっつきにくいなんてこともなく一気に読んだ。 物語は若くして官房長官にまで上り詰めた「清家一郎」という男は…
初読みの作家、丸山正樹の「刑事何森孤高の相貌」を読んだ。 なにもり、ではなく、いずもりと読ませる孤高の刑事が活躍する連作短編ミステリ。 おふざけ要素なしハードボイルドな警察小説だ。 孤高すぎて、回を重ねるごとにどんどん降格されてゆく主人公。 …
塩田武士「存在のすべてを」を読んだ。骨太の良い作品だった。 「罪の声」がすごく良かったので期待をしていたが、前作に勝るリアリティで、 あーこれもまた映画化されちゃうんじゃない? さすが本屋大賞ノミネート! ちなみの罪の声はあの「グリコ森永事件…
真門浩平の「ルナティック・レトリーバー」を読んだ。第19回ミステリーズ!新人賞受賞作らしい。 なかなかしっかりしたミステリで面白かったのだが、なんでタイトルが「ルナティック・レトリーバー」なのかはちょっと分からなかった(かいてあったかな?) …
中井英夫の「とらんぷ譚1. 幻想博物館」を読んだ。 中井英夫といえば日本三大奇書と言われている「虚無への供物」の作者だ。 30年くらい前に読んだことがある。 もはや、読んだことがあることしか覚えていなかったのでもしかしたら夢かもしれない。ただ、な…
お盆を過ぎて、少しは過ごしやすくなった、、、、と言いたいところだが、連日エアコン漬けの我が家だ。 必定、部屋のドアを閉めるので、猫が学習して人間と共連れして出入りするようになった。 まるで、マンションのセキュリティを突破するセールスマンのよ…
横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞「悪い夏」を読んだ。 読後感は決して良くないのに、途中で読むのをやめられなくて一気だった。 佐々木守という、とっても人の良いというか真面目なだけが取り柄で彼女もいない、なんとなく公務員になって、運悪く生活保護の…
タイトルに惹かれて浅ノ宮 遼、 眞庵の書いた「情無連盟の殺人」を読んだ。 読み終わって知ったのだが、二人組の医師によって書かれたミステリー おお。二人組のミステリ作家といえば古くはエラリー・クイーン、新しくは(いや新しくないか)岡嶋二人。二人…
東川篤哉の「君に読ませたいミステリがあるんだ」をよんだ。 相変わらずエンタメのかる~いノリながらしっかりトリックが仕込まれている。表紙のかわいいとあいまって高校生とかに読んでほしい一冊だ。 自称美少女の第2文芸部部長水崎アンナの作ったミステリ…
前から気になっていた岡崎琢磨の「鏡の国」を読んだ。 鏡の国 作者:岡崎 琢磨 PHP研究所 Amazon 作中作「鏡の国」というコロナ禍さなかに起こったほぼ真実の事件を元にした小説を、作者没後の西暦2060年に読みかえす。という凝ったミステリー 40年後の…
私の住む福岡では、登録した人にLINEでお知らせが送りつけられるのだが、最近は毎日熱中症警戒アラートが送りつけられてくる。 それがまあ、判で押したようにマックス振り切れた危険ゾーン(紫)で、赤や黄色を超えたってことらしいが逆に危機感が薄れる。 …
中山七里の「有罪、とAIは告げた」を読んだ。 この作家さん、たくさん書いてるからたくさんオススメに上がってくるのよねー 有罪、とAIは告げた 作者:中山七里 小学館 Amazon 東京地方裁判所の新人裁判官・高遠寺円は、日々の業務に忙殺されていた。公判、…
東野圭吾の「誰かが私を殺した」を読んだ。 むむ?なんか類似のタイトルの本あったよね、と思って調べたよ。 ・・・1冊どころの騒ぎじゃなかった(爆笑) 「あなたが誰かを殺した」 「私が彼を殺した」 「どちらかが彼女を殺した」 2冊めにしてリンクを貼る…
貫井徳郎の「追憶のかけら」現代語版を読んだ。 どういう事?古語版もあるの???とおもっていたら、最後の解説で謎が解明した。 この「追憶のかけら」は、作中作といって、小説のなかに小説がかかれているのだが、その「知る人ぞ知る小説家の手記」という…
先日「ツミでミック」で直木賞を受賞した一穂ミチの「スモールワールズ」を読んだ。 スモールワールズ (講談社文庫) 作者:一穂ミチ 講談社 Amazon 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人ーー書下ろし掌編を加えた、七つの「小さな世界」…
長月天音の「私の愛した余命探偵」を読んだ。 いろんな探偵がいるが、行き着くところまで行った感はある。 突っ込む気満々で読んだけどやはり、人の生死を扱った話はイジりにくい。 私が愛した余命探偵 (小学館文庫) 作者:長月天音 小学館 Amazon その真実に…