柳川 一 の「中山民俗学探偵譚 」を読んだ。
戦前戦後にかけて、中山が出会った有名人たちとのエピソードをうまく謎ときに仕立てたミステリー。
ナレーターの読み方の問題もあるかもしれないが、大変上品というか京都料理みたいな本。欲を言えば滋味深いが逆に言うとちょっと刺激が少ないかも。
「民俗学」✕「ミステリー」って最近はかなりいろんな本が出ていて人気のジャンルだと思うけど、例えば京極夏彦とか三津田信三みたいな「怪異」「妖怪」風味はあまりない。
あの乱歩が、あの南方熊楠が、みたいな話が多いので読み手にもそれなりの知識が求められる。
さすがに乱歩を知らない人はいないと思うけど、種田山頭火と柳田國男が偶然列車で同じコンパートメントに乗り合わせた。と言われてもいまいち興奮しないというか。
何より「中山民俗学」について知らなかったので、いまいちピントこない。
何でも、若い頃には記者として働き戦後柳田國男に感銘をうけて、民俗学を始めた人らしいが、「フィールドワークをしない民俗学者」として有名だったらしい。
大量の文献からひいてくるのだそうだ。
柳田國男に「上野の図書館の本を全て読もうとした男」と怖れられるほどの読書家でもあったそうである。
研究の内容も、とっても面白そう。面白すぎて「ちょっと盛って」たのかもしれない。南方熊楠から「大変興味深いが、間違いが多いし情報ソースが怪しい」と言われてしまっている。
今でいうオカルト系ユーチューバーみたいな感じかしら。
にくめねぇ。
とは言えその民俗学についてはあまり本書にはでてこない(よね??)
集中できずに読むのに時間がかかってしまった一冊だった。
知られざる民俗学者・中山太郎が出合った数々の謎
柳田国男、種田山頭火、宮武外骨、南方熊楠、そして平井太郎
異端の民俗学者が同時代に生きた偉人の
逸話を語る、滋味溢れる連作集昭和21年、栃木県足利郡にてひっそりと暮らす中山太郎の元を、下野新聞の記者が訪れる。探偵小説執筆の参考に、かつて柳田国男に師事し異端の民俗学者として知られる中山の、同時代を過ごした偉人達との交流について話を聞きたいという。明治、大正から昭和初期にかけて、柳田のほか、種田山頭火、宮武外骨、南方熊楠、そして平井太郎らと過ごした日々は、謎に満ちていた――。話を脱線させつつも、中山太郎は奇妙な出来事の数々をゆるりと語っていく。
『三人書房』で鮮烈なデビューを飾った著者による、滋味溢れる連作ミステリ。
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