ミステリ関連
柚月裕子の「慈雨」を読んだ。 一度警察官になった者は、死ぬまで警察官なのだろうか。そんな問いが頭をよぎる。柚月裕子の「慈雨」は、定年退職した元刑事が、過去に自らが「解決」したと信じていた事件に再び向き合う物語である。 論理的なミステリという…
アンソニー・ホロヴィッツ の「その裁きは死」を読んだ。 2021年、ミステリランキング4冠を3年連続で達成したという「その裁きは死」は、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの第2巻である。 読み終わってから気づいたのだが、どうやら私は第3巻を先に読んでし…
星月 渉の「私の死体を探してください。」を読んだ。 めっちゃ面白かったわ。 タイトルからしてインパクト抜群。 「私の死体を探してください。」というブログへの投稿を最後に姿を消したベストセラー作家・森林麻美。 予約投稿で次々と現れるのは、新作小説…
真梨 幸子の「4月1日のマイホーム」を読んだ。 前々から、イヤミスの女王。ということだけ知っていて読むのをためらっていたが、読んでみたら思ったよりコメディで。好みの感じ。 初対面からタメ口の隣人女性に対する違和感とかを丁寧にすくっているところ…
乙一の「大樹館の幻想」を読んだ。 「未来の胎児と会話しながら事件を推理する」という言葉だけで、読まずにはいられなかった。設定だけを聞けばSFかファンタジーと思いきや、これが実に堅実な「館もの」ミステリであるというギャップにまず驚く。 メイドの…
原田 マハの「リボルバー 」を読んだ。 これが本当なら、大事件だ。 ゴッホが自ら命を絶ったとされる「リボルバー」が、現代に突然オークションハウスに持ち込まれたら――そんな衝撃の導入で始まる「リボルバー」は、想像以上に奥深く、芸術の真実に迫る物語…
今村 昌弘 の「明智恭介の奔走」を読んだ。 「屍人荘シリーズ」の4冊目で、時間を遡り「登場するなり死んでしまう残念な名探偵・明智先輩」と、葉村君の出会いのシーンを描いた作品である。 まず、「屍人荘の殺人」は衝撃だった。 上でもちらっとふれたが、…
中山 七里 の「鬼の哭(な)く里」を読んだ。 タイトルからして、横溝正史的なドロドロした因習ミステリを期待して読み始めた。山間の寒村、閉ざされた人間関係、そして“鬼”という不穏な言葉。これはもう、血と怨念が渦巻く世界が待っているに違いない―― 確…
倉知淳の『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』を読んだ。 なんとも人を食ったタイトルである。 あっ、よく見たら——ただの白い表紙かと思いきや、豆腐の角にうっすら血糊が…やるな! 豆腐では凶器にならないはずだが、密室状態の部屋の中で男が死んでい…
青柳 碧人の「怪談刑事」を読んだ。 表紙のイラストがなんとも言えずいかがわしい。(褒めてる) 思わず「市川友章」で検索する。ふむふむ、怪談絵本とか描いている。クセ強め~すきだ~ 話が逸れたが、本作は青柳碧人の得意とする おもしろミステリー×怪談 …
織部 泰助の「死に髪の棲む家」を読んだ。 先日、久しぶりに天神(福岡の中心地)の書店へ行くと、この本がやたらとおすすめされていた。 よくよく見ると、なんと著者はこの本屋で働く書店員さんとのこと。これは気になる。郷土の星と呼ぶにふさわしいではな…
櫻田智也の『六色の蛹』を読んだ。 去年の「このミステリーがすごい!」第10位にランクインしたこの本、タイトルの意味がとっつきにくく感じて後回しにしていた。(もちろん、読み終わった今ではこのタイトルこそがしっくりくるのだけれど!) 本作に登場す…
有栖川有栖の「日本扇の謎」を読んだ。 国名シリースの新作では、火村と有栖コンビが新たな事件に挑む様子が描かれている。 今回も安定のバディが事件を解決! この二人は歳を取らなくていいなぁ。読者は気がつけば二人の年齢を追い越してしまいぼやぼやして…
深水 黎一郎 の「ミステリー・アリーナ」を読んだ。 こんな傑作をいままで一切アンテナに引っ掛けていたかったことをまず反省。 2016年のこのミステリーがすごいにもランクインしているし、世間はちゃんと認知していたらしい。 だよね!これ読んだら誰かにす…
碧野 圭の「菜の花食堂のささやかな事件簿」を読んだ。 初読みの作家さんだ。 菜の花食堂を切り盛りする先生こと靖子さんが、月に2回だけ開く「料理教室」に来る生徒たちの小さな日常の謎を解き明かす。 職場のいじめにより会社をやめて、ボロボロの生活をし…
青柳 碧人の「赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。」を読んだ。 赤ずきんが探偵役として活躍する楽しいミステリー。 空飛ぶ絨毯やランプの魔神などファンタジックな世界観の中にありながら、しっかりとした謎解きが展開されていて、読み応えがある。…
米澤穂信のの「夏限定トロピカルパフェ事件」を読んだ。 甘い感じのタイトルに反して、わりとシリアスな物語。 春限定いちごタルト事件のときののどかさに比べてしっかり刑事事件が絡んできている。 最初の話こそ小佐内さんより1つ多くケーキを食べちゃった…
五条 紀夫 の「私はチクワに殺されます」を読んだ。 「前代未聞のチクワサスペンス」と銘打たれたこの物語は、序盤こそ荒唐無稽なホラー(というよりホラ話)かと思いきや中盤でミステリ要素が加わり、最後には再びホラーに戻るという不思議な構成の作品だっ…
下村 敦史の「全員犯人、だけど被害者、しかも探偵」を読んだ。 そんなことありえない!と思ったけど、 なるほど、かなりアクロバチックだけどもこうすればありうるのか。 ただし、前提というのがかなり危ういので、これ、本当にみんな信じてしまってるのか…
有栖川有栖の「カナダ金貨の謎」を読んだ。 記念すべき国名シリーズ第10弾とのことで、本家エラリークインを超えたそうな。 (実は本家はまだ読んだことがない) 表題作「カナダ金貨の謎」を含む、火村英生と有栖川有栖が登場する中短編が5つ収録されていい…
夕木春央 の「十戒」を読了。 納得の読後感!こんなトリックを考え出すなんて本当にすごいなぁと思う。 物語の舞台は、孤島。そこに集められた初対面(のはずの)人々。そして、彼らに与えられた「十戒」。 ・犯人を探してはいけない ・助けを呼んではならな…
浅倉 秋成の「家族解散まで千キロメートル」を読んだ。 ロードムービーみたいですね。 登場人物の一人が言っていたけど、前半は確かにそんな感じ。 謎とスリルがあり、タイムリミットに向けて車をどんどん飛ばしていくさまは爽快感がある。 しかし、ゴール(…
伴田音の『彼女が遺したミステリ』を読んだ。 号泣必至のミステリーとあったが、どちらかというと微笑ましい終わり方だったなぁ。 物語は、病気で亡くなった婚約者の一花が遺した謎解きゲームを解くことで、悲しみから再生する僕の話。 これから結婚しようと…
有栖川有栖の「インド倶楽部の謎」を読んだ。 国名シリーズ9作目で、久しぶりの長編ミステリーだ。 今回は初めてAudibleの読み上げで聞いたのだが、火村の声がイメージと違ってちょっと残念。(私の中では完全にドラマで主演した斎藤工のイメージなので、な…
呉勝浩の「法廷占拠 爆弾2」を読んだ。 前作の「爆弾」で私を震撼させた「スズキタゴサク」の再臨である。 前回もスズキタゴサクの異様さに「妖怪感」と書いていたが、それでも最後はそんなに悪くない終わり方?と思っていたが、今回はスズキタゴサクが更に…
翔田 寛の「真犯人」を読んだ。 今まで全然私のアンテナに引っかかってこなかったのが悔しい。 こういう警察小説が読みたかったんだよ。一つの誘拐殺人事件を、時を経て3回も捜査をする事になった警察官たちの焦燥が見事に書かれている。 一度目は、誘拐事件…
石川智健の「20 誤判対策室」を読んだ。 全然話題になってない(あ、私の狭い界隈で申し訳ないけど)にも関わらず、すごく面白かった。もっと取り上げられても良さそうなのに。久しぶりの一気読み。 誤判対策室とは、冤罪を再捜査する架空の組織。元ベテラン…
黒川博行の「騙る」を読んだ。 表紙の絵を見ると時代小説かと思ったが、高尚なアートの世界にすくう仄暗い部分、詐欺スレスレの世界に身を置く美術雑誌の編集者佐保を軸とした連作ミステリー どうしてこの和服の美人が表紙に描かれているのかは謎だ。(そん…
初読みの作家、一雫ライオンの「二人の嘘」をよんだ。 美しく聡明な女性判事が自分が判決を下した男に恋をしてしまうストーリー いわゆる桁違いのスペックを持つ「礼子」は、完璧な人間であった。 なぜなら幼い頃彼女を捨てた母親の残した最後の言葉が「私、…
初日の出を拝みに近所の山へ登る。 今年の太陽始め 無事下山して、今更換気扇の油汚れを落とそうとして断念、その後年賀状を書き、あんこ食べたいのであんこ炊いて実家へ。 正月の方がよっぽど勤勉なのである。 さて、正月の一冊め、降田天の少女マクベスを…