M・W・クレイヴン の「ボタニストの殺人」を読んだ。
毒と皮肉の香りがただよう、心弾む英国ミステリー。
冒頭からして惹き込まれる。テレビ番組の収録中、女性蔑視発言で悪名高いコメンテーターがその場で毒殺されるのだ。誰もが見守る生放送中の事件、しかも毒殺。
この「ボタニストの殺人」、じつはシリーズの5作目。私はうっかり順番を間違えて読んでしまったのだが、それでも面白さに揺るぎはなかった。ポーとティリーの名コンビが再び登場し、2つの事件に挑む。ひとつは冒頭のテレビ毒殺事件。そしてもう一つは、ポーの愛すべき同僚、黒いゴスメイクがトレードマークの病理学者エステル・ドイルが、なんと実父殺しの容疑で逮捕されたというもの。
当然、ポーは黙っていない。直感と剛腕で、どちらの事件も執念深く追いかける。相棒ティリーは、その知性と奇抜な発想で支えつつ、たまに周囲をポカンとさせる突飛な言動も。ティリー最高。
英国っぽさ満載のジョークの応酬も、魅力のひとつだ。ときに不謹慎ギリギリの皮肉交じりのやりとりもなんだかおしゃれ。
一見バラバラだった出来事がひとつにつながるあたりの構成力はお見事。
しかも、こっそりと挿入されたロマンスもあり、緊張感とほんのり甘さのバランスが絶妙なのだ。
「ボタニストの殺人」はシリーズの中でも特にボリュームがあるが、まったくダレることがない。一気に聴き終えた。
こういうのを「上質なミステリー」と呼ぶのだろう。
悔しかったので、これから読まれる方の何らかの参考のために。
ワシントンポーシリーズ読む順番
① ストーンサークルの殺人 ★ゴールドダガー受賞作!
② ブラックサマーの殺人
③ キュレーターの殺人
④ グレイラットの殺人
⑤ ボタニストの殺人(上・下)
次はちゃんとシリーズものは確認して順番通りに読もう…たぶん。
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押し花を受け取った著名人が連続で殺される事件が起きた。捜査に挑むポーだったが、彼の同僚の病理学者が殺人容疑で逮捕され……
次に読みたい本
わかった、表紙がわかりにくい。(難癖)
ちなみに、ドラマ化されてないかなーと思って検索したけどまだ見たい。
ぜひこれはビジュアルを見てみたい気がする。

