戦後の村の古いしきたり、戦争から帰ってきた怪我を負った男。
和尚が殺され、柱に縛りつけられる……
キーワード的には横溝正史の金田一耕助に近いものがあるが、なんだかしっくりこない。
ちょっと長いんじゃないかしら。それに、あのいとこの女の子もいらないんじゃないかしら。なんて思いながら、読了。
御本人は「書いててとても楽しかった」と書いている通り、確かに「面白くしよう」とした感じがうかがえる。
物語は令和の時代に、昭和40年代初期を振り返る老刑事の語りで始まる。当時の事件を後世に伝えようとする構成だ。
当時の風俗描写など、実際の俳優の名前も出てきて、そこは結構面白い。
ギターを抱えた流しの主人公も、いいキャラだと思う。
だが、最近の読者にはもう少しクセの強い探偵でないとピンとこないかもしれない。
良くも悪くも、推理力のある「いい人」なんだよな〜。
色々書いてしまったけど、ちょうど60代後半くらいの人には懐かしくて刺さるのかもしれない。
そして、実は最期泣いちゃった。(天童荒太に期待するのはこういうのだ!)
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『永遠の仔』『悼む人』……感動を送り続ける著書の進化、一大エンターテインメント誕生!
「高校時代に国内外の探偵小説を手に取り、以来ずっと探偵小説には憧れに近い親しみを感じてきました。今回、ほぼ半世紀にわたる憧れを形にする時間は、本当に楽しいものでした。書くことがこれほど楽しいと感じたのは、初めてだったと思います」――天童荒太
ビートルズが日本を訪れてコンサートを開いた一九六六年。昭和四一年。
日本の片隅で、或るおぞましい事件が起きた。
私にとっては、忘れがたい……というより、いまなお当時の光景といい、匂いといい、感触といい、生々しい記憶で胸が焼かれるような想いがする事件である。
加えて、あの悲しみに満ちた出来事には、表向き解決した内容――すなわち、裁判になったり、新聞記事になったりした事実とは、また別の驚くべき真相がある。
たとえば被害者の数は、公表された数よりも、はるかに多かった。――「プロローグ」より
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陰惨と言うならこのくらいやっちゃってもらいたい。

