2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧
板野 博行の「眠れないほどおもしろいやばい文豪」を読んだ。 みんな、「文豪」って聞くとどんなイメージを思い浮かべるだろう? 国語の授業で習った、難しそうな顔したたち… 最近はアニメ「文豪ストレイドッグス」などで文豪たちがかっこよくイメチェンして…
総合探偵社ガルエージェンシー編の「探偵怪談」を読んだ。 てっきり、探偵が張り込んでいたときに出会った怪異の話かと思ったが(実際そのような話もあるのだが)ほとんどが、探偵が出会った怖い人間の話、ヒトコワだった。 そりゃー探偵にお世話になる人達…
第152回芥川賞受賞作である小野 正嗣 の「九年前の祈り」を読んだ。 初読みの作家さんでその高尚さ?に面くらい、3つの短編からなる本だったが、表題作しか読みくだせなかった。 物語には大分県の県南部の方言が出てくる。私も祖父母の大分のためこの独特の…
辻村深月の「噓つきジェンガ」を読んだ。 「嘘」をテーマとした三つのストーリー。 それぞれの物語は独立しているように見えながらも、人間の心の奥底に潜む脆さや、予期せぬ状況に追い込まれていく人々の姿を鮮やかに描き出しているところが共通している。 …
第171回芥川賞受賞作、朝比奈秋の「サンショウウオの四十九日」を読んだ。 結合双生児の「瞬」と「杏」のものがたり。 結合双生児で私達がもっともよく知っているは「ベトちゃんドクちゃん」だろうか ベトちゃんドクちゃんは腰のところで体がつながっている…
三宅香帆の「ずっと幸せなら本なんて読まなかった 人生の悩み・苦しみに効く名作33」を読んだ。 最近「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」で大いに感銘をうけた三宅香帆の若い頃(いや今でも十分若いが)のちょっと変わった趣向の読書案内だ。 お悩みに…
朝井リョウの「風と共にゆとりぬ」を読んだ。 最年少直木賞作家のゆとり三部作のうち第2作目。 相変わらず爆笑だった。 特に、最後の「肛門記」は涙なしでは、もとい爆笑なしでは読めない。 本人も「放浪記」みたいなテンションで読んでほしいと書いていたが…
坂井希久子の「さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや」を読んだ。 10冊目にしてようやくゴールインした只次郎と妙さん。 なかなか進まぬ二人の仲にやきもき(というかイライラ)した人も多かろうが、ようやくお妙さんも自分が只次郎が好きだと認め(認めてからも長…
小原 晩の「これが生活なのかしらん」を読んだ。 若い女の子が「まだ何者でもない」希少な時期をすくい取ったかのようなエッセイだ。 時系列はバラバラだが、 勉強ができなかった学生時代。 先生に片思いをしていた高校3年生。 そして、家から出たいばかりに…
櫻庭 露樹 の「全捨離したら人生すべてが好転する話」を読んだ。 おそらく同年代の作者による「オヤジギャク」がちょいちょい鼻につくが、笑ってしまう私。 いわゆるスピリチュアル系の話だが、眼尻を上げて突き進む感じじゃないくてだんだんこの人のユーモ…
誉田哲也 の「もう、聞こえない」を読んだ。 警察ミステリーかと思ったら、女性の霊(の声が聞こえる女性)が捜査を誘導するというまさかの展開。 しかし、物語の視点人物が巧みにスイッチするので、読者は結構騙されてしまう。 幽霊が犯人を教える、なんて…
市川憂人の「ヴァンプドッグは叫ばない」を読んだ。 マリア&漣シリーズの第5弾、残念ながら3.4巻をすっ飛ばして読んでしまったようだ。 どおりでなんか、会話がポンポンはずんでいるというか仲良さが増していると言うか・・・ タイトルはヴァンパイア+ドッ…
小酒井 不木(こさかいぶぼく)の「犬神」を読んだ。 タイトルがかっこいいけど、そして話の内容も結構好みなのだが最後のオチが、ワタシ的にはガクッとなった。 外国語に翻訳しづらい内容ではある。 一応、ミステリーなので落ちは言わないが、作者は冒頭で…
澤村 御影 の「准教授・高槻彰良の推察11 夏の終わりに呼ぶ声 」を読んだ。 このシリーズも早くも11巻だ。 前回、物語が大きく進んでとうとう殺人事件に巻き込まれってしまったいつものメンバーたち。 お腹いっぱいな気分でなんだか満足していたが、そうい…
有栖川有栖の「日本扇の謎」を読んだ。 国名シリースの新作では、火村と有栖コンビが新たな事件に挑む様子が描かれている。 今回も安定のバディが事件を解決! この二人は歳を取らなくていいなぁ。読者は気がつけば二人の年齢を追い越してしまいぼやぼやして…
近藤 史恵の「たまごの旅人」を読んだ。 添乗員になりたての主人公遥が直面する厳しい現実とちょっと心温まるショート・ストーリーズ。 まず、添乗員の待遇が思ったより過酷でびっくり。 非正規雇用だわ、出産育児をしながらでは続けられないし、とても「旅…
寝舟 はやせの「入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください」を読んだ。 本屋でみて気になっていた一冊。 今流行りのモキュメンタリー風ホラーかと思いきや、割と良い方向に想像を裏切られた。ところどころ笑えるライトノベルのような小説。 なん…
名取佐和子の「図書室のはこぶね」を読んだ。 久しぶりに初々しい高校生の青春物語を手にして、ちょっと肌に艶が増したような・・・ハイ、気のせいですね。 バレーボール一筋の高校時代を過ごした主人公の女の子は、最後の大会の前に足にケガをし、部活も体…
今年の本屋大賞、阿部 暁子の「カフネ」を読んだ。 物語は最愛の弟を突然亡くした薫子の視点で語られる。 死ぬ前に紹介された弟の恋人、小野寺せつなは、つなぎ服にゴツいブーツをはいた愛想がない女性。 しかし、弟は彼女に遺言で遺産を残していた。 薫子は…
中川学の「くも漫。」を読んだ。 自身のくも膜下出血の発症から回復までを漫画にしたルポ漫画だ。 当時の彼はまだ20代しかも、発症した場所がよりによって風俗店。 風俗店で倒れ、救急車で運ばれたため後ほど親族中で「靴は?」と突っ込まれるという地獄。(…
もうすぐ鈴木亮平主演の映画が公開されると聞き、朱川 湊人の「花まんま」を読んだ。 ノスタルジーとホラーが交錯する短編集で、その舞台は生き生きと描かれた大阪。 表題作「花まんま」以外にも良いお話がたくさん出会った。 私は三人の女にそれぞれ愛され…
翔田寛の「人さらい」を読んだり まるでサスペンスドラマ。 だれが主人公がわかりにくいのがやや難点か。だ十分一気読み本だった。 そうきたかと言う驚き結末で、犯人の気持ちも被害者の家族の気持ちもわかるから、犯人がわかってもすっきりするというより、…
本屋大賞ノミネートされている一穂ミチの「恋とか愛とかやさしさなら」を読んだ。 ある意味究極の愛の物語であった。 プロポーズをされた翌日に彼氏が盗撮で捕まったという知らせを受ける新夏(にいか)。 おそらく、日本中で毎日のように被害者が発生してい…
増山実の「今夜、喫茶マチカネで」をよんだ。 初読みの作家さんだ。 もうすぐ閉店を予定している「喫茶マチカネ」で待兼山で起こった不思議な思い出を語りあう「待兼山奇談倶楽部」。 7つの不思議な話が奇談倶楽部で語られる。 いくつかの話の中ではカレー屋…
深水 黎一郎 の「ミステリー・アリーナ」を読んだ。 こんな傑作をいままで一切アンテナに引っ掛けていたかったことをまず反省。 2016年のこのミステリーがすごいにもランクインしているし、世間はちゃんと認知していたらしい。 だよね!これ読んだら誰かにす…
平野レミの「私のまんまで生きてきた。ありのままの自分で気持ちよく生きるための100の言葉」を読んだ。 平野レミさんに対する知識がめちゃくちゃたくさんあるわけではないが、全くもって、レミさんらしい彼女の言葉を後から信者が集めて出版した本。 お釈迦…
碧野 圭の「菜の花食堂のささやかな事件簿」を読んだ。 初読みの作家さんだ。 菜の花食堂を切り盛りする先生こと靖子さんが、月に2回だけ開く「料理教室」に来る生徒たちの小さな日常の謎を解き明かす。 職場のいじめにより会社をやめて、ボロボロの生活をし…
青柳 碧人の「赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。」を読んだ。 赤ずきんが探偵役として活躍する楽しいミステリー。 空飛ぶ絨毯やランプの魔神などファンタジックな世界観の中にありながら、しっかりとした謎解きが展開されていて、読み応えがある。…
ドラマ化などで話題作の伊与原 新の「宙わたる教室」を読んだ。 様々な事情を持つ生徒たちが集まる定時制高校。その科学部でで繰り広げられる青春小説。 キーとなる人物は科学部顧問の藤竹先生。 大学の研究室にも属しているちょっとミステリアスな人物だが…
坂口安吾原作近藤ようこ漫画の「桜の森の満開の下」を読んだ。 ちょうどこの時期に良い話だ。 近藤ようこは、原作ありの漫画をたくさん書いている。 細い線で描かれる女達はどれも怖いほどの美しさで、白と黒だけで「妖艶」をつくりだしてしまうところが好き…