iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「令和の雑駁なマルスの歌」

町田康の「令和の雑駁なマルスの歌」を読んだ。 ユーモア短編小説、なのか? 短いが人を食ったような内容で面白かった。 なんとなく予想はしていたけれど、終わり方が突然電話をプツッと切られたようなかんじ。 えーそんな終わり方ってあるの?と切ない気持…

「ファイトクラブ」

チャック・パラニュークの「ファイトクラブ」を読んだ。 有名なブラッドピットのあの映画の原作だ。ら それこそ、パラニュークらしい酩酊感のある文章で、ケムに巻かれる感じがあるが、むかーしむかしに映画を見てたおかげで、先何とか読みこなせた。 特に、…

「二つと十億のアラベスク」

高野 史緒の「二つと十億のアラベスク」を読んだ。 初読みの作者さんだが、どこかで見たような・・・とおもったら数年前に「カラマーゾフの妹」を書いて江戸川乱歩賞をとった人だった。 未読だが、カラマーゾフの兄弟を読んでから読むべきだろうと思ってまだ…

「20 誤判対策室」

石川智健の「20 誤判対策室」を読んだ。 全然話題になってない(あ、私の狭い界隈で申し訳ないけど)にも関わらず、すごく面白かった。もっと取り上げられても良さそうなのに。久しぶりの一気読み。 誤判対策室とは、冤罪を再捜査する架空の組織。元ベテラン…

「護られなかった者たちへ」

中山七里の「護られなかった者たちへ」を読んだ。 映画化されているのでご存知の方も多かろう。 護られなかった者たちとは社会保障で救われるはずだった人々のことだ。 生活保護のしくみには賛否両論があることは知っているし、確かに私たちには働かざる物食…

「騙る」美術事件簿

黒川博行の「騙る」を読んだ。 表紙の絵を見ると時代小説かと思ったが、高尚なアートの世界にすくう仄暗い部分、詐欺スレスレの世界に身を置く美術雑誌の編集者佐保を軸とした連作ミステリー どうしてこの和服の美人が表紙に描かれているのかは謎だ。(そん…

「消費される階級」令和では負け犬もアウトだろう

酒井順子の「消費される階級」を読んだ。猫のイラストがかわいい一冊だ。 だが、内容は表紙のイラストほど可愛くない。 私達が当たり前と思っている感覚に、そこ間違ってるかもよ?!と、Noというよりクエスッチョンを突きつけてくる。 一つの章に一つのテー…