iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

杉浦日向子『ゑひもせす』を読んだ。江戸の人たちの日常をのぞく

杉浦日向子の『ゑひもせす』(ちくま文庫)を読んだ。 ゑひもせす (ちくま文庫 す 2-3) 作者:杉浦 日向子 筑摩書房 Amazon 江戸の庶民の暮らしを描いた、初期の漫画作品集。「袖もぎ様」や、デビュー作の「通言室乃梅」などが収められている。 江戸でも東京…

『境界知能の人たち』狭間の子どもたち

古荘純一『境界知能の人たち』(講談社現代新書)を読んだ。 勉強ができない。仕事ができない。努力がたりない、こう思われている人はあなたの知り合いにもきっといるだろう。だが、この本を読んでおもった。けっして本人の責任ではないし、怠けているわけで…

恋愛小説だと思ったら、着地点が違った――畠山丑雄『叫び』

畠山丑雄の「叫び」を読んだ。 あらすじに「恋愛政治小説」と書いてあったので、ナンノコッチャ、と思って読み進んでいた。 恋愛小説(ただし、ちょっとクセが強い人たちの)でも、ピュア・ラブかなと思っていたら、クライマックスで度肝を抜かれた。 え~、…

寝たら全部忘れる名探偵――西尾維新『掟上今日子の備忘録』

西尾維新の「掟上今日子の備忘録」を読んだ。 眠ると、その日のできごとをすべて忘れてしまう名探偵・掟上今日子。 だから事件は一日で解決しなければならない。 なるほど、忘れることが弱点なのに、それが「最速の探偵」という特徴になるのか。 おお、そう…

人の心に残る男――吉田修一『おかえり横道世之介』

吉田修一の「おかえり横道世之介」を読んだ。 世之介の善良さに、背筋が伸びる思いがした。 彼と知り合った人は、みんな彼と出会えてよかったと思うらしい。 世之介自身は決して正しいことばかりしているわけでもない。むしろちゃんとしてない。 ちょっとず…

『インド人は悩まない』――心にはちょっとインド人、料理にはちょっぴりカレー粉

インドで働いた著者が、現地の人たちの行動を観察しながら、日本人が抱えがちな「考えすぎ」をほどく本。 ちょっとひねり技の自己啓発本。私の中のインド人についての知識は、今回の本を読んで気がついたが、大変貧相なものであった。 ターバンを巻いてカレ…

名探偵だって、何も解けない日がある――森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』

森見登美彦の「シャーロック・ホームズの凱旋」を読んだ。 舞台はヴィクトリア朝京都。 ロンドンなのか京都なのか、最初から何を言っているのか分からない。 話もワトソンの「作中作」が玉ねぎのように数層に重なっていて、読んでいて頭がこんがらかってくる…