iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」胸が熱くなるSF

アンディウィアーの「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読んだ。 Audibleでリリースされたときから目をつけていたのだが、上下巻(そう読み上げ時間が20時間超え)に恐れをなして躊躇していた。 ちなみに、Audibleでは読み上げ時間が10時間を超えるとファ…

Audibleで聞ける小泉八雲三選

今日は満月。中秋の名月は昨日だが満月は今日らしい。 残念ながら雲に隠れて見えないが、この季節の月はチーズのように黄色のはなぜだろう。 今日は趣向を変えて読み聞かせてもらえる怪談の魅力を伝えたい。 茶碗の中 ナレーター:鬼城院護 強そうな名前のナ…

「きのうの影踏み」ホラーとファンタジーの境界線

辻村深月の「きのうの影踏み」を読んだ。 実話系怪談風創作ファンタジー?で読みやすかった。 全部の話ではないけれど、作中で、辻村さん本人が登場し、妊娠出産そしてこどもが幼稚園へ入った話などが語られていて、実話っぽさが強調される。 特に、夜中に目…

「笑うマトリョーシカ」若き官房長官は傀儡なのか?

初読みの作家、早見和真の「笑うマトリョーシカ」を読んだ。 今までにあまり読んだことのないジャンル(政治とジャーナリズム)の話だったが、とっつきにくいなんてこともなく一気に読んだ。 物語は若くして官房長官にまで上り詰めた「清家一郎」という男は…

「夫婦善哉」夫婦って本人達にしか分からん

織田作之助の「夫婦善哉(めおとぜんざい)」を読んだ。 織田作之助、名前だけは知っていた(文ストで)が初めて読んだ。そして、本当にお恥ずかしいことに「ふうふぜんざい」と読んでいた。 途中、このタイトルの意味はなんだろうねぇ、善哉って私達が食べ…

「わたしは孤独な星のように」本人朗読で光る作品

池澤春菜の「わたしは孤独な星のように」を読んだ。 前から、「池澤夏樹の娘」で「SFクラブの会長」で「声優」となんだか才気の塊みたいな人やなと思っていたが、実際にこの人が書いた本を読むのは初めて。 アマゾンでもタイトルリストがでていなかったので…

「魂婚心中」SFなんだ!?

芦沢央の「魂婚心中」を読んだ。 まさかのSFだった。いや、(イヤ)ミステリー作家の印象が強かったからさ・・・ 本人もあとがきで「私がSF書いていいんですか」と書いていたけど、ちゃんとSFだったし、スリリングな展開はさすがという感じ。 SFと言っても宇…