iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

ホラー

Audibleで聞ける小泉八雲三選

今日は満月。中秋の名月は昨日だが満月は今日らしい。 残念ながら雲に隠れて見えないが、この季節の月はチーズのように黄色のはなぜだろう。 今日は趣向を変えて読み聞かせてもらえる怪談の魅力を伝えたい。 茶碗の中 ナレーター:鬼城院護 強そうな名前のナ…

「きのうの影踏み」ホラーとファンタジーの境界線

辻村深月の「きのうの影踏み」を読んだ。 実話系怪談風創作ファンタジー?で読みやすかった。 全部の話ではないけれど、作中で、辻村さん本人が登場し、妊娠出産そしてこどもが幼稚園へ入った話などが語られていて、実話っぽさが強調される。 特に、夜中に目…

「忠五郎の話」小泉八雲のイヤミスならぬイヤ怪談

小泉八雲の「忠五郎の話」を読んだ。 とても短い話だ。忠五郎ったらかわいそうに。 美しい女の魔物に魅入られて死んでしまうのだが、正体ががっかりすぎるのである。 特筆すべきは、女に連れて行かれる場所が「水の中」であるところ。 水の中なのに苦しくも…

「玩具修理者」

小林泰三の「玩具修理者」を読んだ。 グロいホラーというイメージでずっと手がでなかった。 気力が充実してないと読めない気がして。 玩具修理者 (角川ホラー文庫) 作者:小林 泰三 KADOKAWA Amazon 玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジ…

「死写会」めっちゃいい声の連続

Audibleオリジナル作品、つまり読み聞かせてなんぼの「死写会」を読んだ。あ、いや。聞いた。 なんだか、レビューがナレーションばかり褒めてるのでちと気になりつつもワクワクしながらスタート。 いや~程よいホラーを探している身としては初読みの作者のホ…

「コワい話は聞くだけで。」本当はなかった怖い話。

七月に入ったとたんに、ここ福岡でも異常な暑さである。 なんか小耳に挟んだのだか昨日40度超えたところがあるそうな。 毎年毎年記録更新狙ってきやがって夏の気温、どんだけ勤勉なんや! こんな日はクーラーだけじゃ足りないので怪談でも聞いてみましょうか…

「闇に染まりし、闇を祓う」怪談はエンタメだ!

はやせやすひろの「闇に染まりし、闇を祓う」を読んだ。 闇に染まりし、闇を祓う 作者:はやせ やすひろ Amazon 怪異ハンター・はやせに依頼される不可思議案件。6つの禍々しい謎、どう解くのか? それとも――放つのか? あなたの呪い引き取ります。すべて実…

「影踏亭の怪談」ホラーとミステリどっちも堪能

表紙の絵が意味がわかると怖いやつなので、あえてかわいい漫画風にしてみたよ。田んぼの泥がついた幽霊。 影踏亭の怪談 作者:大島 清昭 東京創元社 Amazon はじめましての作者、大島 清昭の「影踏亭の怪談」を読んだ。タイトルをみて「うわ‐これは私好み」と…

最後にピースがハマる時の恐怖「怖ガラセ屋サン」

澤村伊智の「怖ガラセ屋サン」を読んだ。 怖ガラセ屋サン (幻冬舎単行本) 作者:澤村伊智 幻冬舎 Amazon 誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在――。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナ…

暑い時には怪談を

HOLY ホラーコミック傑作選第1集 (角川ホラー文庫) 作者:手塚 治虫,美内 すずえ,諸星 大二郎,日野 日出志,丸尾 末広,内田 春菊,花輪 和一,萩尾 望都 KADOKAWA Amazon 1億円を強奪した男が深夜タクシーに乗り吉原に向かう途中、タクシー運転手が語りだし…

遺品

若竹七海の遺品を読んだ。 遺品 (角川ホラー文庫) 作者:若竹 七海 発売日: 2016/02/25 メディア: Kindle版 タイトルも表紙も怖い。 学芸員の仕事がなくなり、彼氏とも別れ、家族ともうまくいかないというどん底期に、たまたま紹介された仕事がとある女優のコ…

前半で投げ出さなくてよかった「禍家」

三津田信三の「禍家」を読んだ。 禍家 (角川ホラー文庫) 作者:三津田 信三 発売日: 2013/11/22 メディア: 文庫 怪異が蠢く呪われた家で少年を襲う惨劇とは!?身の毛もよだつ最恐ホラー!12歳の少年・棟像貢太郎は、東京郊外に越してきた。しかし、初めて住むは…

妖怪サンエンケチリ~ブックオフにはエコバックを持っていけという話

昼休みにふらふらとブックオフへ行った。 その日のお目当ては夏だからちょいとホラーっぽいマンガがあれば、だった。 いや、もっと言えばその前の日にTwitterで知った高階良子のマンガがあればゲットしようという腹だった。70年代から活躍している少女漫画家…

「拝み屋郷内 花嫁の家」手に汗握る?アクション怪談!

拝み屋郷内シリーズの「花嫁の家」を読んだ。 拝み屋郷内 花嫁の家 (MF文庫ダ・ヴィンチ) 作者:郷内 心瞳 発売日: 2014/09/25 メディア: Kindle版 拝み屋を営む著者が、これまで一度も最後まで語ることも記録に残すことも許されなかった、忌まわしき怪異譚を…

志村後ろ後ろ!?的な?「私の家では何も起こらない」

恩田陸の「私の家では何も起こらない」を読んだ。 私の家では何も起こらない (角川文庫) 作者:恩田 陸 発売日: 2016/11/25 メディア: 文庫 小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあ…

京都の怪談和尚と東北の拝み屋「怪談和尚の京都怪奇譚」「拝み屋忘備録」

最近、立て続けに実話怪談っていうのを読んでいる。 (っていうのも、kindleunlimitedでホラー系が充実しまくって、そして、一冊読むとめちゃくちゃ私にお勧めしまくってくるからだ。) おすすめされる本ども ちなみに、私がkindleunlimitedのページを開くと…

「ぼきわん」「ずうのめ」「ならどき」比嘉姉妹シリーズ読了

タイトルだけじゃ「?」ってなる、澤村伊智の比嘉姉妹シリーズ3冊を読了。 ぼぎわんは第22回日本ホラー小説大賞受賞作で、映画化もされているのでご存じの方も多いと思う。 映画公開前は本屋でも小さいディスプレイでずーーと流していました。岡田准一を。 …

映画館に行けないご時世なので「犬鳴村」を読んだ

とは言えすでに上映期間は過ぎてらかもしれないが。 ちょっと前に周りの人たちが見に行きたいと言ってた映画「犬鳴村」の小説版を読んだ。 犬鳴村〈小説版〉 (竹書房文庫) 作者:樹生, 久田 発売日: 2020/01/16 メディア: 文庫 映画、結局予告編しか観れてい…

Audibleはやっぱりすごい「予言の島」聞いた

澤村伊智の「予言の島」を読んだ。というか、今回Audible版で聞いた。 予言の島 作者:澤村伊智 発売日: 2019/03/15 メディア: 単行本 だってね、今2か月無料なんですよ! 以前3か月くらいオーディブルに加入していたのだが、辞めた理由はやはり 「ちょっと高…

「放送禁止」からの~未読禁止の面白さ?

東京二十三区を読んでおもしろかった長江俊和の「放送禁止」を読んだ。 放送禁止 (角川ホラー文庫) 作者:長江 俊和 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2016/03/25 メディア: Kindle版 不幸な出来事の続く大家族のドキュメンタリー。ストーカー被害に遭って…

怪談?ミステリ?「東京23区女」

初めて読む作家さんである。 本屋で出版禁止などの○○禁止シリーズが平積みされていたので気になっていたのだが、kindleでちょっとお安かったので(そんな理由ばかりでお恥ずかしい)読んでみる。 東京二十三区女 (幻冬舎文庫) 作者:長江 俊和 出版社/メーカ…

ささやくようなタイトルが怖い「悪いものが、来ませんように」

芦沢央の「悪いものが、来ませんように」を読んだ。 そもそも、芦沢央の名前をどう読めばいいのかいまだにわかってない私。 さすがに今回しらべたところ「あしざわ よう」とお読みするらしい。 ウィキに写真が出ていたが、ふつうの「わかいお母さん」という…

油断した、は失礼かな「霊能者ですがガンになりました」

強制除霊師・斎シリーズの異色闘病記「霊能者ですがガンになりました」を読んだ。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript ||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q|…

すべてが言葉のやり取りだけで構成された小説「Q&A」

恩田陸の「Q&A」を読んだ。 本屋でも、新装っカバーで再プッシュされている模様。その拍子がなんとも怖そう・・・で実際読んでみたら、怖いっ!こぇぇぇ~って感じ。 Q&A 作者: 恩田陸 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2013/12/06 メディア: Kindle版 …

モキュメンタリー?「火のないところに煙は」

本屋大賞にノミネートされ、去年から気になっていた「火のないところに煙は」をようやくゲット。 火のないところに煙は 作者: 芦沢央 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/06/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 「神楽坂を舞台に怪談…

メタ実話系「怪談のテープ起こし」

怪談のテープ起こし (集英社文庫) 作者: 三津田信三 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2019/01/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 集英社の夏の文庫キャンペーンでおまけにつられて買った一冊。 (結局、しおりは品切れでもらえなかったんだけど)…

夏のお楽しみ「ほぼ日の怪談」

ほぼ日の怪談。 (ほぼ日文庫) 作者: ほぼ日刊イトイ新聞,ヒグチユウコ 出版社/メーカー: ほぼ日 発売日: 2018/08/07 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 一部のファンには毎年夏のお楽しみになっている、ほぼ日刊イトイ新聞の怪談コーナーその名も「…

オカルト作家の格闘育児日記、ただし猫。「猫怪々」

加門七海の猫怪々を読んだ。 猫怪々 (集英社文庫) 作者: 加門七海 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2014/11/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 引っ越した途端、病気の子猫を拾ってしまった彼女は、猫に「のの」という名前をつけ、まさしくのの…

なんなら表紙が一番怖い「山怪談」

暑いと怪談がよみたくなりますな。 といっても、最近は年中怪談、不思議な話は人気があるそうな。 エアコンの発達か?それともネットの発達?ネットでも怖い話は玉石混交読み放題。 ちょいとそれますが私が毎年楽しみにしているほぼ日のコンテンツがこれ。 …

好奇心は猫をも殺す「祝山」

怖い話が結構好きだ。血が出たり物理的なホラーは全く受け付けないが、こういう視えちゃう人によるじわっと怖い話が好き。 作者加門七海さんは霊感があることでも有名な女性作家。 小説だけにとどまらず、いわゆるノンフィクション?というか、視える人にと…