iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

『名探偵再び』探偵のプライドとは?

潮谷験の「名探偵再び」を読んだ。

 

軽いノリの女子高生探偵の話かと思ったら、最後にどんでん返しがやってくる。正直、前半は軽妙なコメディかと思って油断していた。だが終盤、目まぐるしく伏線が回収され、見事に騙されていたことに気づかされる。その巧妙さに、さすが「このミステリーがすごい!」2025年版で第16位(この順位はビミョーに見えるかもしれないが、そんな事ない)

 

物語の主人公は、時夜翔という令和の女子高生探偵。彼女は「伝説の名探偵」と名高い大伯母(多分、工藤新一クラス)からの血筋を持ち、その霊に相談しながら謎を解いていく。

 

なんともファンタジーな設定だが、翔ちゃん本人は「探偵なんてやったことない」と言いながらも、周囲の期待に応えて“探偵っぽく振る舞う”ことを選ぶ。その割り切りと、ちょっと口の悪いながらも憎めない性格が魅力的。

 

本書「名探偵再び」は、翔ちゃんの明るくテンポの良い語り口に油断して読み進めていると、終章で一気に仕掛けられた伏線の正体が明かされる構成になっている。読者は知らぬ間にミスリードを受け取り、納得の驚きを味わうことになる。

 

ただのライトな学園ミステリかと思っていた自分を恥じたくなる。

 

「巨大な黒幕か?」と思わせる存在の、実はちょっとかわいい一面が描かれるのも、この作品の魅力の一つだ。笑えて、驚けて、ちゃんと筋も通っている。幽霊からヒントをもらうなんてズルい、という人もいるかもしれないが、それすらも論理的な流れの中に組み込まれており、ミステリとしての完成度は高い。

 

とにかく、気楽に読めて、しかもちゃんと唸らされる「名探偵再び」。こういうミステリが好きな人には、文句なしにおすすめできる。

 

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名探偵再び

私立雷辺(らいへん)女学園に入学した時夜翔(ときやしょう)には、学園の名探偵だった大伯母がいた。数々の難事件を解決し、警察からも助言を求められた存在だったが30年前、学園の悪を裏で操っていた理事長・Mと対決し、とともに雷辺の滝に落ちてなくなってしまった……。
悪意が去ったあとの学園に入学し、このままちやほやされて学園生活を送れると目論んでいた翔の元へ、事件の依頼が舞い込んだ。どうやってこのピンチを切り抜けるのか!?

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