桃野 雑派 の「星くずの殺人」を読んだ。
宇宙で人がひとりずつ殺されていく――それだけでもじゅうぶんひきがあるが、「星くずの殺人」はその舞台設定に甘えず、しっかりと“論理”で読ませるミステリである。
無重力、閉鎖空間、抽選で当たった乗客たちという特殊な状況が、密室トリックと絶妙に絡み合ってくる。SFに見せかけておきながら、わりと硬派な推理ものだ。
主役か探偵役かと思いきや、どちらでもない微妙な立ち位置の女子高生・あまね。突拍子もない行動も、あっと驚く推理ショーもない。
ただ関西弁――いや、京都弁のはんなりとした口調で、宇宙船の中の大人たちをじわじわと論破していく。その切れ味は、ナイフというより扇子。見た目は柔らか、だけど芯は鋼。
ちなみに、最後までこの子の主人公に対する妙に好意的な感じが謎。
事件そのものは、いわゆる“クローズドサークル”で、疑わしき者たちが限られた空間に閉じ込められていく。そして当然のごとく、ひとり、またひとりと死体が転がる。
「マサキ」という乗客の発言がいちいちコミカルなのだが、「一人だと死亡フラグ立っちゃうよ!」などとおもしろい。
この馬鹿さ加減は周囲を欺く仮の姿では?と思うが裏は全くなかった。
この話のすごいところは宇宙ホテルでも実際に人間ってやることややれることは同じなんだなと言いリアルがあるところ。
場所が宇宙でも、残されたものは料理と作って食べ、疑心暗鬼になり、喧嘩をしてとやることが閉ざされた雪の山荘だ。
桃野雑派の「星くずの殺人」は、SF設定に包まれた純度の高い本格ミステリ。
最近のミステリー読めてないなぁという人は、ぜひおすすめ!
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クローズドサークル新時代!
最後の一行まで驚きの連続、限界突破ミステリー!!3000万円の完全民間宇宙旅行のモニターツアーで、念願の宇宙ホテル『星くず』についた途端見つかった死体。それも無重力空間で首吊り状態だった。添乗員の土師穂稀は、会社の指示に従いツアーの続行を決めるが――。
一癖も二癖もあるツアー客、失われる通信設備、逃げ出すホテルスタッフ。さらには第2の殺人まで起きてしまう。帰還を試みようとすると、地上からあるメッセージが届き、それすら困難に。『星くず』は、宇宙に漂う巨大密室と化したのだった。
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SFミステリーの傑作。科学的な考察と巧妙な謎解きが融合したストーリーはちょっと通じるものがある。

