2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧
朝井リョウ の「チア男子!!」を読んだ。 勢いがある青春小説。 まるでコミックスを読んでいるようなテンポの良い会話や笑い。そして私からしたら懐かし過ぎてもはや酸っぱい匂いしかしない「青春時代」を思い出す、なんだが若返る本である。 もともとエッセ…
川村元気の「8番出口」を読んだ。 二宮和也主演の映画が先日公開されたばかりの、ゲームをノベライズした新しい取り組みの本だ。 と、わかったようなことを書いてみたが、実はゲームに対する理解がないのでなんのことやらである。 物語は.混み合う電車内で…
中山市朗の「怪談狩り まだらの坂」を読んだ。 Audibleで怪談狩りの新作が上がるとすぐに聞いちゃう。 そんなに怖くないので(怪談の意味)怖がりさんにも安心です。 ちなみに、怪談系は割とゆっくり読み上げてもらうほうが雰囲気でる。 怪談のあらすじをい…
見城徹・藤田晋の「憂鬱でなければ、仕事じゃない」を読んだ。 冒頭から圧倒される。「電話をかけたほうが先に切るな」「名刺を切らしていたら翌日に速達で送れ」など、今どき聞かない“昭和イズム”全開の仕事論が飛び出すのだ。まるで一昔前の武士道かと思う…
新川 帆立 の「目には目を」を読んだ。 語り手が誰なのか、どんな立場なのかが少しずつ明かされていく構成に引き込まれた。 最初は「信頼できない語り手」なのではと疑ったが、実際には嘘をついているわけではない。ただ、性別すら隠されて語られるため、読…
朱野帰子の「対岸の家事」を読んだ。 切ないくらい、専業主婦が悪者にされている描かれている。 しかし、これちょっとずれた並行社会を書いたSFというわけではなく、実際に肩身が狭いのかも。 主人公・詩穂は、自らの意志で専業主婦を選んだ。にもかかわらず…
花房 観音 の「京都伏見 恋文の宿」を読んだ。 冒頭から、なんとも風情のあるタイトルに心をつかまれる。花房観音という筆名もまた、艶やかで記憶に残る。そういえば書店では何度も見かけていたが、読んだのは今回が初めて。 「京都伏見 恋文の宿」の舞台は…
藤野千夜の「また団地のふたり」を読んだ。 前作「団地のふたり」がとても良かったので、続編である「また団地のふたり」にも期待。 今回も相変わらずのユートピアで、同じく「50代(前半)」の私としては、「これが最高の幸せのかたちなのでは?」と、しみ…
2025年直木賞候補作の一冊、芦沢 央の「嘘と隣人」を読んだ。 先日読んだ「慈雨」を思い出す「引退した元刑事が主人公」の連作小説。 さすがイヤミス短篇の名手といわれるだけある。人間が持ついい面と悪い面でいうと、必ず悪い面で終わるカードゲームのよう…
川村 秀憲 の「10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人」を読んだ。 AIに仕事を奪われる未来予想図は最近よく話題になっている。 すごく危機感をあおってくるけど、逆をいえば人間は「仕事以外のやりたいことだけ」やれ…
柚月裕子の「慈雨」を読んだ。 一度警察官になった者は、死ぬまで警察官なのだろうか。そんな問いが頭をよぎる。柚月裕子の「慈雨」は、定年退職した元刑事が、過去に自らが「解決」したと信じていた事件に再び向き合う物語である。 論理的なミステリという…
サレンダー橋本の「働かざる者たち」を読んだ。 限界を感じた若者が陥りやすい挫折感と、「働くとは何か」をユーモアと皮肉を交えて描いた、れっきとしたお仕事マンガだった。 最初はちょっと尖ったシュールなギャグマンガかと思いきや、意外にも読み応えが…
荒俣宏の「すぐ役に立つものは すぐ役に立たなくなる」を読んだ。 さすが、知の怪人という呼び名にふさわしい圧巻の勉強法。 「勉強」と聞くとどうしてもマイナスのイメージがつきまとうが、彼にとっての勉強は「ワクワクしてやめられないもの」なのだ。 確…
アンソニー・ホロヴィッツ の「その裁きは死」を読んだ。 2021年、ミステリランキング4冠を3年連続で達成したという「その裁きは死」は、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの第2巻である。 読み終わってから気づいたのだが、どうやら私は第3巻を先に読んでし…
「教養とは何か?」そんな問いかけから始まるこの一冊は、そろそろ仕事としての到達点が見えて来た人にとって、一点の明るい星を見せてくれる。 今から頑張っても、社長にはなれない(この言い草まもはや貧相だけど)とゴールらしきものが見えて来た私達は、…
矢口史靖 ・ 夜馬裕の「ドールハウス」を読んだ。 人形が幼い娘と話ている。──そんな錯覚から、すべてが始まった。 「映画ノベライズ ドールハウス」は、ただのホラーではない。喪失と再生、そして静かに蝕まれる日常を描いた、深くて苦い物語だった。娘を亡…
井伏鱒二の「黒い雨」を読んだ。 「終戦記念日までに読み切りたい」と思っていたので、間に合ってよかった。正直、読了できるかどうか自信がなかったのだが、ナレーターが渡辺謙だと知って「これなら行けるかも」とチャレンジ大好き) 大変いい声でした。(…
伊藤 正一 の「ヤマケイ文庫 定本 黒部の山賊」を読んだ。 表紙からしてただ者ではない雰囲気を放つ「黒部の山賊」。本屋で一目見たときから気になっていたが、読み始めると案の定、「スゲー」の連発である。 語彙力が乏しくってごめんあそばせ。これは、と…
高野雀の「しょうもないのうりょく」を読んだ。 絵柄がかわいく、白地が多めでシンプルなライン。 余白の取り方や線の柔らかさがいいね、好き。 この「しょうもないのうりょく」の舞台は、世の中の人が皆、何かしらの“異能”を持っている世界だと聞けば、つい…
石井 力重の「AIを使って考えるための全技術――「最高の発想」を一瞬で生み出す56の技法」を読んだ。 読んだ、というか「購入した」と言ったほうが正しい。読むって感じの本でもないもんなー。実際かなりの厚さで、まさに「辞書」のような本。 結構しっかり…
真梨幸子 の「鸚鵡楼の惨劇」を読んだ。 いやあ、これは面白かった! 鸚鵡楼という屋敷で起きた事件を、半世紀にわたって追いかけるサスペンスである。 物語は過去と現在が予告なしてに意図的に時間がポンッと飛び、入れ子構造で何重にも重なっていく。 気が…
みうら じゅんの「アウト老のすすめ 」を読んだ。 みうらじゅんは、老人になってもやっぱりみうらじゅんなんだなー タイトル通り「アウトロー(アウト老)」だの「オイルショッカー(老いるショッカー)」だの、オヤジギャグと下ネタがひたすら連射される。 …
辻村深月の「凍りのくじら」を読んだ。 章のタイトルはすべてドラえもんの秘密道具。子どものころから藤子・F・不二雄作品に親しんできた人なら、ページを開くたびに「あ、これ知ってる」と心がくすぐられる。物語全体から、作者の藤子F愛がじんわりと伝わっ…
水木しげるの「姑娘」を読んだ。 学生でもなく、テレビもほとんど見ない日常を送っていると、かつて毎年この時期になると否応なく考えさせられていた「戦争」のことに、すっかり触れなくなってしまっていた。 やっぱり、それはよくないなと思い、久しぶりに…
ゆきたこーすけ の「脱サラフードデリバリー配達員テンパりマンガ日記」を読んだ。 やたらでっかいリュックを背負った配達員たちを、見かけるようになって久しい。 その姿がちょっとした都市の風景として定着した今、配達員たちのリアルな日常を描いた「脱サ…
星月 渉の「私の死体を探してください。」を読んだ。 めっちゃ面白かったわ。 タイトルからしてインパクト抜群。 「私の死体を探してください。」というブログへの投稿を最後に姿を消したベストセラー作家・森林麻美。 予約投稿で次々と現れるのは、新作小説…
豊留 菜瑞 の「忙しさ幻想」を読んだ。 読書インフルエンサー、なのだそうだ。 TikTok - Make Your Day TikTokで検索すると、ショート動画でたくさん本を紹介していた。確かにすごい大盤振る舞いである。 「〇〇の本5冊」みたいなタイトルが並び、一回の投稿…
小泉八雲の「力ばか」を読んだ。 とても短い怪談だが、胸に残る余韻がある。 主人公の力(りき)は、16歳になっても心は2歳のまま。 印象的だったのはこの一文だ。 彼は生まれつき子どもの心のままだったからです。そのため、人々は親切にしていました。 普…
青柳 碧人の「令和忍法帖」を読んだ。 「赤ずきんちゃん」シリーズでおなじみの青柳碧人の新シリーズは、やっぱりエンタメに振り切った痛快な一冊だった。 今回の「令和忍法帖」は、現代に生きる忍者たちのドタバタ劇を描きつつ、しっかりと世代間ギャップを…
嵐田 佐和子 の「キラキラとギラギラ 1 」を読んだ。 ある日突然少女マンガの世界の女の子が北斗の拳のような劇画の世界にやってきたら? ありそうでなかった設定で笑わせるギャグマンガだ。 表紙の男の子は、転向して劇画化してしまった幼馴染の禅くん。 …