水生大海 の「その噓を、なかったことには」を読んだ。
「どんでん返し」の爽快感を味わいたい読者にはたまらない、5つの短編が収められた一冊である。
ただし、甘いだけの展開では終わらない。最初の数話で「いい話かな?」と油断していると、後半でしっかり裏をかかれる。読後にふっと笑える話もあれば、じわじわと不穏さが残る“イヤミス”系もあり、短編集とは思えないバリエーションの豊かさが魅力だ。
「その噓を、なかったことには」のなかで、唯一「これは作者、根はいい人なんだろうな」と思わせてくれたのが、「まだ間に合うのならば」。
よくよく考えるとあとの作品は結構「イヤミス」かも。
一作目の「妻は嘘をついている」はちょっとおめでたい主人公の秀馬が妻の犯行を疑う話。
ステレオタイプなダメ夫の語りが笑いを誘う。
留守中に家に押しかける部下の女性のあざとさにはこわってなった。
にもかかわらず、秀馬がまんざらでもない顔をしてるあたり、哀れというか、情けないというか。だが最終的に一枚も二枚も上手だったのは、やっぱり妻だった。
計算高さと冷静さ、恐るべし。
最終話の「あの日、キャンプ場で」はモヤモヤが残る衝撃的な終わり方。
私はてっきり、あの“いかすかない”先輩が犯人だと思ってたけどね!
逆にあいつが犯人じゃないっていうのがどんでん返しなの?!
全然、勧善懲悪ではなくてスッキリしないわー
ベタでも何でもいいから、最後の場面では刑事さんが現れて現行犯で逮捕!かと思ったよー(はがゆい)
でも、出てこないのがどんでん返しなの~!?(あれは伏線じゃないのか?)
というわけで、別の意味でもやもやドッキリした作品。
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物語のラストでこれまでの景色が一変する「どんでん返し」。そんな短編を5つ、収録しました。――家に帰宅すると、なんと男が死んでいた……「妻は噓をついている」。人気ロックバンドの新曲MVに出演したことで、日常が嫌な方向に向いていく……「まだ間にあうならば」など、心地よさも心地悪さも味わえるミステリ短編集。著者のヒット作『最後のページをめくるまで』『あなたが選ぶ結末は』も合わせて読みたい一冊です。
次に読みたい本
嘘とイヤミスといえば「芦沢央の嘘と隣人」だろう。
雑談を少々
三連休の初日、友達の家にお呼ばれして遅くまで飲んでしまったので、中日の今朝はなかなか起きれず。年々「翌日の使い物にならない度」がいや増している。
かれこれ10数年来のママ友たちのなかで「ちょっとお酒の強い私」をそろそろ返上すべきかも。
みんな翌日旅行に行ったりパートに行ったり息子の弁当作ったり通常業務・・・頭が下がります。いや、というか二日酔いで頭が痛いです。
これからは、お酒は嗜む程度の品の良いオバを目指そう。
ただ、気温が下がってビールを飲まなくてもよい秋口に私は毎年禁酒を誓っているような気もする。
ビールってどうしてあんなに美味しいかね?
