iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

『その裁きは死』有終の美を感じるミステリー

アンソニーホロヴィッツ の「その裁きは死」を読んだ。

 

2021年、ミステリランキング4冠を3年連続で達成したという「その裁きは死」は、ホーソーンホロヴィッツシリーズの第2巻である。

 

読み終わってから気づいたのだが、どうやら私は第3巻を先に読んでしまっていたらしい。A型の性なのか、シリーズ物はちゃんと順番に読みたい派なので、こういう順番間違いにあとから気づくと地味にテンションが下がる。とはいえ、そのテンションなど軽々と超えてくる面白さだったのが、この「その裁きは死」である。

 

アンソニーホロヴィッツは、イギリスではアガサ・クリスティコナン・ドイルと並び称されるほどの大御所ミステリ作家だそうだ。

 

このシリーズの特筆すべき点は、作者自身がワトソン役として登場し、探偵ホーソーンと共に事件を追うという構成。日本で言えば、有栖川有栖の火村シリーズに近いかもしれないが、こちらはさらにメタな仕掛けが凝らされていて、「これは実際に起こった事件をホロヴィッツが記録しているだけ」という体裁が貫かれている。なんと、謝辞にはホーソーン本人の名も出てくるのだ。

 

 

付き合いづらい私立探偵ホーソーンにいじられっぱなしのホロヴィッツ。毎回「僕にはワトソン役は無理だ!」と嘆きながらも、なぜか憎めず、最後には巻き込まれてしまう。ホーソーンは明らかに敵が多いタイプだが、時折見せる不器用な優しさに心を掴まれてしまう(ちなみにホロヴィッツは常にかわいい)。私の脳内では、刑事コロンボを演じたピーター・フォークホーソーンを演じており、肩をすくめるちょっと意地悪な仕草が妙にしっくりくる。

 

「その裁きは死」はフーダニット(誰が犯人か)を軸にした王道ミステリでありながら、伏線の張り方と回収が見事で、後半には「これぞミステリ!」と唸らされる展開が待っている。シャーロック・ホームズネットスラングといった現代的要素もさりげなく盛り込まれており、読者を巧みに翻弄してくる。そして、まさかの犯人にはしっかりと騙された。

 

ホーソーンホロヴィッツの関係性も、

ミステリの本筋とは別にひとつの物語として楽しめる。ホーソーンの過去にはまだ多くの謎が残されていて、シリーズ全体でその秘密に迫っていく展開も気になるところだ。

 

 

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その裁きは死 ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)

実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。裁判の相手方だった人気作家が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、アンソニーホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査にふたたび引きずりこまれて──。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第2弾! 驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。

次に読みたい本

 

シャーロック・ホームズ 絹の家 (角川文庫)

コナン・ドイル財団が初めて公式作品認定をした八十数年ぶりの、名探偵シャーロック・ホームズ新作(第61作)。

まるで作者が死んでも続いていく「ゴルゴ13」のようではないか。