iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「カナダ金貨の謎」アリスと火村のミステリー放浪記

有栖川有栖の「カナダ金貨の謎」を読んだ。

記念すべき国名シリーズ第10弾とのことで、本家エラリークインを超えたそうな。

(実は本家はまだ読んだことがない)

表題作「カナダ金貨の謎」を含む、火村英生と有栖川有栖が登場する中短編が5つ収録されていいる。

中でも「カナダ金貨~」は火村シリーズ初の倒叙ミステリーらしい。

 

せっかくなので、収録作の一覧を調べたので載せておく。

 

果たして、2017年あたりは最近だろうか(ワタシ的にはつい最近だが)

30年こしのこのシリーズの中では割と新しいほう、したがって火村とアリスの掛け合いももはや板についた定番漫才みたいになっていてほっこり。

以下、ちょっとずつ感想です。

 

「船長が死んだ夜」:ある意味機転のきく犯人をあるいみ尊敬。

船乗りをやめて、山村に帰ってきたいわゆる陸船長がモテすぎたのがよくなかった。

新本格らしい、現実離れした展開もまた面白い。(もちろん新本格だからあり)

 

「エア・キャット」:極めて短い話だが、猫を飼ってるつもりの被害者にいいねボタンを押したい。

長年連れ添った猫に先立たれて、見えないだけで今も飼っている、ということにしてエアキャットを可愛がるのって、素敵。

 

「カナダ金貨の謎」:動機がイマイチな気もするけどトリックがさすが。

何より、犯人目線で火村や有栖のことを書いているところが面白い。

火村や有栖のことを「見かけによらず切れ者かもしれない」と犯人は思うのだが、それを有栖川有栖先生がどの面下げて書いているのか想像するとほっこりする。

 

「あるトリックの蹉跌」:火村と有栖の出会いの話。

なんと、火村から有栖に大学の講義中に声を掛けていた。二人の友情の原点が垣間見える。その時からの仲良し。

 

「トロッコの行方」:有名な思考実験の「トロッコ問題」を絡めた話。

いやー難しいよね。

 

 

カナダ金貨の謎 国名シリーズ (講談社文庫)

殺害現場から消えた一枚のメイプルリーフ金貨が臨床犯罪学者・火村英生を真相に導く。
倒叙形式の表題作「カナダ金貨の謎」ほか、火村とアリスの出会いを描いた「あるトリックの蹉跌」、
思考実験【トロッコ問題】を下敷きにした「トロッコの行方」など趣向を凝らした五編を収録。
〈国名シリーズ〉第10弾。

 

次に読みたい本

タマや 新装版 (講談社文庫)

エアキャットから、猫つながり。

海外でブレイクしているらしい。ノラや、と同じような内容かしら?

 

 

おまけ

最近、ブログを投稿する前に、タイトルをAIに提案してもらうだが今日は吹き出した。

 

火村&有栖コンビにちなんだタイトル

  • 「火村&有栖のミステリー放浪記」
  • 有栖川有栖作品と火村&有栖の世界」
  • 「火村と有栖と時々ミステリー」
  • 「アリスと火村の事件簿」

ちなみに、ブログの挿絵を描いて~とおねがいしたら出てきたのがこれ。

アリスと火村を描いて、という雑なお願いで出て来た。なんて爽やか。