今村 昌弘 の「明智恭介の奔走」を読んだ。
「屍人荘シリーズ」の4冊目で、時間を遡り「登場するなり死んでしまう残念な名探偵・明智先輩」と、葉村君の出会いのシーンを描いた作品である。
まず、「屍人荘の殺人」は衝撃だった。
上でもちらっとふれたが、名探偵として登場した明智恭介が、わりとあっさりやられてしまい、ワトソン役を自認する葉村くんだけが残されるという展開。
また、この明智くんがなかなかの大言壮語キャラで、例えるなら京極堂シリーズの榎木津礼二郎みたいな人物だ(かえって分かりづらいか!)
大ヒットして、神木隆之介主演で映画化もされており、明智くん役は中村倫也が演じている。
そんな明智くんが、シリーズ4冊目にしてついに復活。
今回は、これまでのような命がけの事件ではなく、大学生の明智くんと葉村くんの周囲で起きる、日常のちょっとした謎を解いていくミステリーだ。
明智くんのキャラがとにかく面白すぎて、もはやこれはユーモアミステリと呼んで差し支えない。
内容は以下の5編からなる短編集。
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最初でも最後でもない事件
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とある日常の謎について
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泥酔肌着引き裂き事件
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宗教学試験問題漏洩事件
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手紙ばら撒きハイツ事件
中でも特に面白かったのが、「とある日常の謎について」。
これは、ミステリ界では有名な「50円玉20枚の謎」を解き明かす作品。
といっても、私も詳しくはないのだけど、確か本当にあった不思議な出来事を題材に、複数のミステリ作家が紙上で解決編を書いたという面白い競作アンソロジーがあったらしい。
「毎週土曜日、本屋に50円玉20枚を両替しに来るおじさんは一体何者?」
今村先生は、生まれるのが少し遅かったためその企画に参加できなかったらしく、この作品で満を持して参戦した、という感じ。
この物語の冒頭は、どこかコナン・ドイルの「赤毛連盟」を思わせる展開。
明智くんたちはオンボロビルを高額で買い取って、独居していた老人を立ち退かせた、赤毛連盟的謎を追っているように見せかけて、実は50円玉の謎を解いていた——
という構成が見事で、思わず「上手い!」と膝を打ってしまった。
シリーズ中では異色の「日常の謎」系。
誰かがゾンビになったりしないので、非常にのんびりとした気持ちで楽しめる。
神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出合えるのか――大学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、書き下ろしを含む全五編を収録。『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集!
次に読みたい本
読んだような、読んでないような・・・
2000年の作品らしい。いしいひさいちの漫画はぜひ読みたい。
ところで、みなさん。アマゾンプライムデー始まりましたね。
いやー毎年今年こそは踊らされまい、と思っているのに見てる楽しくてつい。
知らなかったのだが、大騒ぎしていた備蓄米が普通に買えたので、思わずポチって見ました。もうみんな手に入りだしたのかな?
潔すぎるパッケージ。しかもノークレーム・ノーリターンって。
それは・・・ゆるされるんか?


