iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

環と周

よしながふみの「環と周」を読んだ。

 

江戸時代、隣同士に住む環と周はお互いに惹かれ合っていたが、家の都合で別々の相手と結婚してしまう。

二人の恋心は完璧に封じられていたはずだが、彼女の夫が嫉妬心から斬りかかり返り討ちにて殺されてしまう。

脱藩した環を周は「敵討ち」のために追いかける。最後はお互いの気持を知りながらも生きては行けぬと自害をしてしまうのだ。亡骸をだきしめて無く環。

 

その後、二人は度々生まれ変わる。性格には名前が同じだけで見た目も性別も全く違う。

いろいろな時代に生まれた「環と周」は時に男女ではなく女性同士だったり、すごく年が離れていたりするけれど、必ず出会い、そして別れる。

 

二人の関係は恋愛だけとは限らず、女学生同士であったり、お隣のおばさんと幼児だったりと規則性は無い。

 

江戸時代の悲恋のせいで環と周の輪はつながってしまい、何度も産まれ直して出会っているんだろう。

 

何度も試して今回ようやく令和の世に同世代の男女に産まれてきたんだね。

その二人が、江戸時代の環と周のように熱烈に愛し合っているわけではなく、どちらかと言うと一歩引いた感じの夫婦なのもおもしろい。

 

ただ、大仰な言葉を使わなくても二人はきっと穏やかに最後まで一緒にいるのだろう。

最初の環と周ができなかったことを、ようやく成し遂げたのか。

 

すべてのストーリーをあえて時代をバラバラに配置しているので、それぞれの話はおもしろいのだが、そもそもの発端の事件を読むまでよく意味がわからない。

 

最後に現代の話に戻ってきて締めるところも流石。

一本の映画を見るような壮大なストーリー。

 

どの話もすばらしいが、私は隣の男の子と仲良くなる独身女性の話が一番好きかな。

こんな風に生きたい。ああ、そうか。この世界では環と周の年齢が違いすぎるからお互いに結婚せずに死んでしまうのかも知れない。

 

電車で号泣をしてしまい、隣の方におそらく引かれたと思うが、もうしょうがないよ、これは。

 

 

 

家族、恋、友情……さまざまな関係性で綴られる“好きのかたち”。 ――現代編 中学生の一人娘が同級生の女の子とキスをしているのを目撃して動揺する妻。実は夫にも、かつて同級生の男の子を好きになったことがあった。 ――明治時代編 大切な“お友達”になった女学生の環と周。周の縁談が決まり二人は離れ離れに……。 ――70年代編 病気で余命わずかと知った環は、同じアパートに住む少年と出会い交流が始まる。 ――戦後編 復員兵の周は元上官の環と再会し、闇市で一緒に店を始めるが、環には秘密があった。 ――江戸時代編 周の夫を斬った相手は、幼馴染みの環だった。仇討ちのため再会したことから、二人の運命が変わり始める。

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これは一本の映画を見るくらいの勝ちがあると思うのよ~私は。

 

次に読みたい本

 

生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)