iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

『産む気もないのに生理かよ!』子どもを持たないという選択

月岡ツキの「産む気もないのに生理かよ! 」を読んだ。

 

なかなかにパンチの効いたタイトルである。

 

本書は、月岡ツキが「なぜ私は子どもを産まないのか」について、自らの体験と思想を通して語る一冊である。

 

彼女によれば、子どもを産まない理由を数えたらなんと40個もあったそうだ。

 

その筆頭にあるのが、「この世界を信じていないから」。これはなかなかに刺さる。

 

たしかに、こんな不確かで不安定な(くそみたいな)世界にもう一人を増やすことに躊躇する人がいるのは解る。「生まれてくる子どもに申し訳ない」と感じる心も、正直な感情だと思う。

 

 

ただ、読みながらずっと思っていたのは、私は著者に反論したいというよりも、「敵じゃないんだけどなあ」というもどかしさだった。

 

たとえば彼女が「子育てはエベレスト登山」と語る部分。登らなくても楽しく平地を生きてるんだから、そっとしておいてよ、という主張には納得する一方で、どうしても感じてしまうのは、常にファイティングポーズを取っているような硬さだ。

 

おそらく外野からの声に対する長年の防衛反応なのだろう。だからこそ、「もうちょっと肩の力を抜いてもいいんじゃない?」と思ってしまう。

 

「産む気もないのに生理かよ!」は、子どもを持たない人生を語る本である一方で、読み手に「自分の選択を尊重していいんだ」と訴えかけてくる。とはいえ、子どもを持つこと自体もまた、人生の一時期にしか体験できないかけがえのないものだと、私は思っている。

 

私は妊娠・出産を経て「人間も所詮、動物なんだな」と思った。

 

赤ちゃんの泣き声だけで母乳が出る身体の変化は、今思い返しても信じられない。そん

な体験があったからこそ、怖がっている彼女に「そういうふうにできている」と伝えたくなる。

 

「子どもがいる・いない」だけで人間を測るなんて、もったいないよなあ。

 

あと、この世界、そんなに悪くないんじゃない?

 

 

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産む気もないのに生理かよ!

20万部超ベストセラー
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』の著者
三宅香帆さん推薦!

 あなたの人生は、あなただけのものだ。
 社会や親や誰かのものじゃなくて。
 月岡さんの言葉は、あなたの孤独な選択を、
 きっと優しく照らしてくれる。
30代から圧倒的支持!
ポッドキャストとなりの芝生はソーブルー』
の話し手であり、DINKs(仮)のつっきーこと
月岡ツキによる初の著書。

次に読みたい本

そういうふうにできている (新潮文庫)