宇江左真理さんの「斬られ権左」を読んだ。切ないお話である。
権左は「おこっちきれた」あさみを救うため八十八ヶ所も刀傷を受ける。
「おこっちきれた」とは遠近(おちこち)が切れた→垣根が無くなった、転じて「ぞっこん惚れた」というような意味らしい。
死んでもおかしくないほどの権左はあさみ(医者)の治療で、走れるまでに回復する。
そして、持ち前の推理力で江戸の事件を解決するんだけど・・・・最後は切ないのよねー
わたしは、てっきりシリーズで続くくらいがんばってくれると思っていたのに、権左は体調がどんどん悪くなり最後は娘を助けるために最後の力を振り絞ってしまう。
自分の死を悟った権左は娘に「おっ母さんのこと頼むぜ。おっ母さんはれで寂しがりやだから、おいおい泣くかもしれねェからよ。・・・」切ない。