夕木 春央の「サロメの断頭台」を読んだ。
読み終わってなお、なんと言ったらいいか書きあぐねたので、迷うことなくみんなのレビューを見る。
うわー、好きと嫌いが完全に二分割・・・しかし、「夕木 先生だから」とか「夕木作品なのに」的な言葉も目立つ。すごく愛されちゃってる作家なのだな。
夕木 春央の「方舟」は確かに衝撃的なミステリーだった。
あ、このころAIがではじめで調子にのってAI感想文とか書いちゃってる。恥ずかしいわ。
さて、今回読んだ「サロメの断頭台」。超絶イケメンの蓮野と憎めないぼんやり坊っちゃんタイプの井口のキャラクター小説的な部分は結構好きだ。
それに、個性豊かでクセの強い芸術家たちというテーマも面白い。
だが、ミステリとしてはちょっと物足りないかもしれない。
なにしろ人が死にすぎるのだ。
舞台は大正時代。
小さな芸術家集団の中で井口の絵を盗作した人物を探したいのだが、どうやらその集団には複数の「贋作犯」もいるようなのだ。
盗作犯と贋作犯が同一人物かどうかもわからない。また、単独犯か複数犯かもわからない。
言っていいのか?ややネタバレになるので読む予定の人は、読んだらすぐに忘れちゃってほしいのだが、犯人をあぶり出すために、犯人除外確定の人たちを◯していくのである。
そして、小さな集団であるから連続殺人事件なんかおこったら、もう残りの人数なんてほとんどいないのである。
そんだけ殺したら、容疑者ほとんど残ってなくない?と思う。
犯人の倫理観のなさに、膝から崩れそうになる。(まあそこがこのミステリの肝かもしれないけど。)
そして、最大の公開はまたしても読む順番を間違ったらしい。
どうやら、「絞首商會」の続編だったのだ。ぐぬぬ。
ところで、タイトルのサロメについて。本書では連続殺人事件に絡められているのだが、そのあらじについて覚書。
踊りの褒美に「なんでも好きなものをやろう」と言った王様に、サロメ嬢は預言者ヨカナーンの首を所望します。王は引きつつも、望み通り首を与えてしまう。
やんなよ。もらうなよ。欲しがんなよ~という話。
油絵画家の井口は、泥棒に転職した蓮野を連れて、数十年前に置時計を譲ってもらった、ロデウィック氏という発明家の富豪の元へ訪れる。
芸術に造詣の深いロデウィック氏は後日、井口の絵を見るために彼のアトリエに訪れるが、立てかけてあった絵を見て、「この絵とそっくりな作品を見た憶えがある」と気が付いてーー?
未発表の絵の謎を追って、井口と蓮野が大正時代を駆け回る!
次に読みたい本
ちなみに、夕木 春央のデビュー作がこの「絞首商會」らしい。
この愛され作家央について、検索したらちょっと衝撃的だったのは彼が「宗教2世」で高校大学に行っていないということ。
ほーーーー


