荒俣宏の「すぐ役に立つものは すぐ役に立たなくなる」を読んだ。
さすが、知の怪人という呼び名にふさわしい圧巻の勉強法。
「勉強」と聞くとどうしてもマイナスのイメージがつきまとうが、彼にとっての勉強は「ワクワクしてやめられないもの」なのだ。
確かに、話を聞いてみれば、興味の赴くままにあらゆることを学んでいる様子がわかる。
帯に「AIに負けない勉強法」なーんて書いてあるが、そもそも負けるとか負けないとか、AIとか人間とか、そういう次元じゃないのよ。
そうね、知に対して貪欲な怪獣?を身体に飼っているイメージ。
真似できないってことはないんだけども、なんというかスケールが違うなぁ。
こんな風に生きたらたのしいだろうな。
学び始めるのに早いも遅いもないし、そもそも学びというのは極上の娯楽であるという考え方。
以下、気になった言葉をキーワード的に記す。
来たバスにはのってみろ。
→文字通り行き当たりばったりの旅の話ではなく、希望と違った部署に配属されても、やってみたら楽しくなることがあるということ。
人生なんて、死ぬまで恥のかき通し。失敗を気にしていても始まらない。
→そう、人間には間違える権利があるのだ。
わかるまで頑張らなくてもいい。諦めたっていい。
→「わからなかった」という記憶を残しておいて、縁があれば人生で必要なときにまたその問題にめぐりあう。
今読んでみてよくわからなかった本も、歳を重ねれば面白く感じる時が来るかもしれない。今の自分でわからないなら、一旦手放してみる。
因果や縁談の話
→自分のお見合いの話。
縁というものの謎を解き明かすため?奥様と結婚。結構うまくやってる、みたいなことが書かれている。・・・壮大な実験。
最近は見合い結婚は流行らないし、お見合いを仲介してくれる人も少なくなったが、
縁談が起こること自体に何かしらの「縁」があるのだ。
自由恋愛ばかりが尊ばれているけど、むしろ縁談が持ち上がるということが「運命の赤い糸で結ばれた相手」っていう考え方もある。目からウロコ!
短めの章立てで、それぞれ好きなところをつまみ食いできる読みやすい本。
図版も結構入っているので楽しい本だ。
先日、本屋からお迎えして積読していたら、Audibleで聞けるようになっておった。
ありがたく聴いて読了。
(荒俣センセは、「本は毎日再読せよ」って言ってたので、紙の本は再読用ってことで)
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角川武蔵野ミュージアム「荒俣ワンダー秘宝館」で大注目。
博覧強記の「知の怪人・アラマタ」が、
77歳の今もなお実践し続ける独自の「勉強の技術」を大公開!
◆「狂気」の収集癖
◆圧倒的蔵書量
◆溢れ出る知の洪水
「無理」「無茶」「無駄」が人生を面白くする。
一日12時間、風呂、トイレの中でも書物を貪り読み続け、
辿り着いた「得るためには何かをあきらめる境地」とは──?
■目次より
はじめに AIに勝てる知的生活を見つけるために
第1章 脳にかかったクモの巣を払う──0点主義のすすめ
第2章 日本語という化け物を問い詰める
第3章 AIに勝てる勉強法
第4章 偶然がおとずれてくれる勉強法
第5章 やっぱり情報整理なんていらない?
第6章 勉強を高尚なものにしない
第7章 苦手な勉強を楽しくする「魔法の力」
第8章 自己承認欲求に負けない「あきらめる力」
第9章 最強の「勉強法」は読書、場所はトイレと風呂と喫茶店
第10章 「人生丸儲け」と、「間違える権利」
あとがきに代えて だまされることで創造的批判力が身につく
次に読みたい本
本作でも沢山水木先生の話はでてくるが、これまた圧巻の鬼才ぶり。

