「教養とは何か?」そんな問いかけから始まるこの一冊は、そろそろ仕事としての到達点が見えて来た人にとって、一点の明るい星を見せてくれる。
今から頑張っても、社長にはなれない(この言い草まもはや貧相だけど)とゴールらしきものが見えて来た私達は、その後も人生が二、三十年年続くことを考えて、ぼんやりした不安を感じ始める。
仕事がない人生で私達は何をしたらいいのだろう。
この本は、思考の土台を築く“基礎体力”のようなものとしての教養を身につけようと提案してくれる。
「社会人になったら学ばなくてよい」というのは日本だけの話らしい。
思わず苦笑してしまうが、その指摘は鋭い。
私も、やっと勉強しなくて良くなったーと思っていたし、「そんなことしている暇はない」という気分になっているもんだ。
伊能忠敬が隠居後に日本地図を完成させたように、「遅すぎることなどない」との励ましが本書のあちこちに散りばめられている。
印象的だったのは、「すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなる」という言葉。流行のノウハウに飛びつくのではなく、じっくりと知を耕すことが、結果的に人生を豊かにすると教えてくれる。その姿勢は、急かされがちな現代において、とても貴重だ。
本書では「体験格差」についても触れられている。
子どもに様々な体験を与えたくても、親が疲れていたり、シングル家庭で余裕がなかったりすれば限界がある。金銭だけの問題ではなく、親が体験にどれだけ意識的であるかが、重要なのだ。
これは本当に子ども会とか地域活動とかやってるとひしひし感じる。
子どもはやったら楽しいけど、親が面倒くさくてやらないという人が多いのだ。
そして、「手を動かすこと」の重要性。読むだけでなく、考えたことを実際に書く、話す、行動する。そうやって知識を血肉化することで、教養は初めて身につくのだと感じる。
最後に、池上が何度も勧めるのが「本屋に行け」ということ。情報があふれるネットではなく、実際に書店を歩くことで、偶然の出会いがある。とくに、東京駅にある丸善は彼のお気に入りらしい。
読みやすく、それでいて表面的なハウツーでは終わらない本
むしろそろそろ子育ても一段落したお年頃(「中年クライシス」と言われるらしい)の私達こそ、教養を育む絶好の機会なのかもしれない。
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これを読んだら、これを見たらすべてわかる、なんていう本や動画は疑ってかかれ。
教養は、すぐには役に立たない「最強の武器」。生きるとは何なのか、人生とは何なのか――。若い頃には少しも思いを致さなかったこうした問いに、年を重ねてきたからこそ我がこととして向き合うことができるのです。忙しく過ぎてあっという間に迎える50歳という節目は、誰にとってもこれからの身の振り方を改めて考えざるを得ない時期。「子供が自立するまでは、とがむしゃらに走ってきたけれど、いったい自分の人生はなんだったんだろうか」「残りの人生で、いったい何ができるのか」「いつまで働かなければならないのか」「このままでいいのか」……これまでの経験や知識を教養に昇華させるためのヒントが詰まった一冊。 ●知識の点在と「知っている」は別 ●まずは書店で棚を眺める ●エピソードから入り、学びを「自分ごと」にする ●教養とは、人間を知ることにつながる ●哲学がトラブル解決に役立つ ●何もしないでいると、さらに衰えてしまう! 《本書の構成》●第1章 教養をあきらめない ●第2章 教養格差が社会問題を引き起こす ●第3章 生きるための教養 ●第4章 宗教・古典こそ教養の源 ●第5章 人生の転機は教養と学びで乗り越える ●第6章 「自分のために学ぶ」ことがなぜ大切なのか
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