梨の「6」を読んだ。
むむむ、難解!なんだこれ。
タイトルからして「?」だし、読み進めてもスッキリするどころか、ますます霧の中。
最終的には伏線が回収されるっぽいんだけど、それまでの道のりが長い。そして重い。怖いというより、気色悪い。言葉のセンスがいいので、「おっ」と思うフレーズもあるんだけど、読み終わった今、どんな話だか教えてと言われてもほとんど説明できない。
この「6」、6階建てのマンションが舞台になっていて、各章が「天上・人間・修羅・餓鬼・畜生・地獄」っていう仏教の六道に対応してるらしい。
なるほど、確かに最初はデパートの屋上の話だったな……って、後から考えれば「なるほど」だけど、読んでるときはそんなの気づかん。
で、わからないからとりあえず検索する。「梨 6 考察」って。
そしたらめっちゃ考察サイト出てくる。さすが考察系、しらんけど。
そもそも、タイトルの「6」って何?と思ったら、別に作中でちゃんと説明されるわけでもなくて、そういうのも含めて「考えてね」ってスタンス。
たぶん作者の梨さん、頭がいいんだと思う。読者に説明する気はないっぽいけど。
コミカライズもされてて、第一話を読んでみたら、不気味で、不安で、しかもオチがないから、ずっと気持ち悪さが残る。人を選ぶなー。
でも、こういうわかりにくい作品を「つまらない」と一刀両断するのは、ちょっともったいないかもなと思った。
わかりやすい本ばかり読んでると、脳みそが楽を覚えちゃうんだよね。なので、「わからん!でもなんか印象に残る!」って本も、たまにはいい。脳の筋トレだと思って。
ただ、万人におすすめできるタイプの本ではない。同じジャンルなら、雨穴とか背筋の方がエンタメ性高くて読みやすいと思う。(それにしてもこの三人、みんな独特のペンネーム)
とにもかくにも、「6」は好みが分かれると思う。途中何度かわからなくなって巻き戻した。寝ながら聴いたので余計理解できなかったのかも。(我ながら悪夢を見そうな読み聞かせ)
――「だってもう、怖くてさ、地獄に落ちるのが」
新進気鋭のホラー作家・梨が描く、地獄絵図。
この本を読み終えても、恐怖は終わらない。
とあるデパートの「屋上遊園地」。峠道に存在した石塔。23分45秒の動画記録。種苗育成のためのガイドライン。幽霊の死体。エレベーターに響く声。
まるで、覗き絡繰のように次々と雪崩れ込む6つの話は、人間が最も根源的に恐れる「死への恐怖」を呼び起こす。
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