iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「玩具修理者」

小林泰三の「玩具修理者」を読んだ。

グロいホラーというイメージでずっと手がでなかった。

気力が充実してないと読めない気がして。

 

 

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも……死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く……。現実なのか妄想なのか。生きているのか死んでいるのか――その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。

 

表題作の「玩具修理者」と「酔歩する男」の2作が収録されていた。

玩具修理者は確かにちょっとグロな描写もあったが、警戒するほどではなかった。

何故、いつもサングラスをかけているのか尋ねた男に、長い長い予想外な話でこたえる女。

 

てっきり付き合っているカップルかと思いきや、最後の数行でドカンとお見舞いされてしまう。

これは多分、オチを聞かずに読んだ方がいいんじゃないかと思うので詳しくは書けないが、ここすごいなぁ。

意味深な玩具修理者の名前は、クトゥルフ神話へのオマージュらしい。

 

田中麗奈で映画化されてるみたい。あの修理シーンはどうしたんでしょうな。

 

 

もう一作の「酔歩する男」は、玩具修理者よりも長い話。

 

最近流行りのタイムリープものだ。

ただ、タイムトラベラーと本人達は言っている。

 

シュレディンガーの猫の話が出てきて、哲学的すぎて頭がこんがらがってしまう。

 

確かにタイムトラベルする能力があったとして、タイムトラベルするタイミングも、行先も分からないなんて永遠にひとつの人生から抜け出せない地獄でしかない。

 

もし自分がそんなめにあったとしたらゾッとするわー

 

箱を開けるまでその箱の中の猫が生きているか死んでいるか確定していない。

観察した途端に収束するって、分かるようなわからんような。

 

なんで猫なの?猫派だからかなー

 

 

次に読みたい本

 

 

何話か読んだけど、あんまりピンと来てない。

もう少し若ければこれを楽しめる受容器官も育成できたかもと思う。

幼稚だとまでは言わないが、コロコロコミックくらいなイメージ。