iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「私の愛した余命探偵」いろんな探偵はいるけれど

長月天音の「私の愛した余命探偵」を読んだ。

いろんな探偵がいるが、行き着くところまで行った感はある。

突っ込む気満々で読んだけどやはり、人の生死を扱った話はイジりにくい。

 

その真実に、きっと涙する――。
洋菓子店で起こるささやかな事件が、二人の未来を照らし出す。
六年間、夫の闘病生活を支えた著者。亡き夫に捧ぐ、勇気をもらえる愛の物語。


「今日はどんなお客さんの話?」
西荻窪にあるコイズミ洋菓子店で働く二葉には、腹部に肉腫を抱え長期入院中の夫、一星がいる。
一星は大のケーキ好きだが、禁食のため空腹と暇を持て余しており、いつしか、二葉が店から持ち帰るささやかな謎を解き明かすことが二人の楽しみとなった。
幼い女の子が香りを頼りに一人探し続ける「楽しいお菓子」とは?
実家を出た娘の誕生日ケーキを毎年購入し、記録し続けた亡き両親の真意とは?
そして、謎に隠された様々な想いに触れた二人が選ぶ未来とは――。

「ほどなく、お別れです」シリーズ著者、渾身の書き下ろし。

 

ベッドに横たわる病人が日常の謎をとく「安楽椅子探偵」物。

ただ、病状があまりかんばしくないためにちょくちょく省エネモードになってしまう。

タイトルに「余命」とあるので、別の意味でドキドキしながらの読書となった。

 

別の意味でヒヤヒヤする・・・

 

ケーキ屋で働く二葉は、夫の一星を毎日大病院に見舞いに行く。

病院の中には、病人かその家族くらいしかいない。闘病の辛さは私も知らないものではないが、もし30代で余命宣告をされたらどんな気分だろう。

 

毎日面会に行く妻を「その時間を無駄にしないでほしい」と思い「そんなに来なくていい」と言う夫。妻は「そんな言葉を聞きたいわけじゃない!」と怒る。せつない。

 

いくつかの謎を解いたあと、彼は退院する元気な様子にこのままタイトルを裏切ってくれと思っていたのに。

 

・・・もう手術はしないよ、もう十分だよね?

 

ああ、せつなすぎる。うん、私も大切に生きよう。

 

次に読みたい本

いやーいろんな探偵が降りますなぁ・・・

 

 

 

 

 

そうそう、全然話は変わりますが直木賞決まりましたわね。これは菊の花か。