三津田信三の「禍家」を読んだ。
怪異が蠢く呪われた家で少年を襲う惨劇とは!?身の毛もよだつ最恐ホラー!
12歳の少年・棟像貢太郎は、東京郊外に越してきた。しかし、初めて住むはずのその家に既視感を覚えると、怪異が次々と彼を襲い始める。やがて貢太郎が探り出した、家に隠された驚愕の真実とは!?
最恐とか書いてありますけど、ほんとはそっこまで怖くない。
正直前半は、ちょっと退屈で何度か本を投げ出した。
あまりにも聞いたことある実話系怪談っぽいというか、夢を忘れて四半世紀のオバがこんなもんで怖がるかい!という、ただのホラーなのですわ。
しかし後半それこそ残りページが2ミリ(厚さかよ!)くらいになってからがぜん「面白く」なってくる。
やっぱり、一番怖いのは市井に暮らす普通の人を装った狂人であるなぁ。
これ以上言うとネタバレになってしまうので言えない。(つまりミステリとして読むのであればだが)
しかし、最終的には怪異は収束し、めでたしめでたしで終わるのだ。
最後に出てくる司ちゃんは、作者の過剰サービスというか。いい意味での嫌がらせで
めでたしめでたしで終わらせないぞ、という気概を感じた。
もうちょこっとだけ言わせていただければ、両親を亡くした主人公の少年貢太郎が、祖母とともに越してきた家で怪異が起こるのだが、祖母に気をつかって、まったく怖いとか言わないの。それも遠慮しすぎでどうかと思うが、
祖母よ!選択肢としてそれはないでしょ~~~?
だって、自分の息子家族が殺された家に唯一の生き残りの貢太郎を連れて引っ越してくるとか。ほとんど描写のない祖母だけどホントならここにも一種の恐さを感じる。
実際にもはもう少し複雑です。ぜひ読んでご確認を。
しかしこの本には、私が三津田信三に期待している民俗学的な要素とかが少なかった。
解説には三津田信三らしさとも言える「ペダンティック」的な部分が少なく、とあった。
なるほど~さすが、解説任される人はいいこと言うや。
いや、ペダンティックって言葉はググりましたけど。
※ペダンティックとは・・・学問や教養をひけらかすさま。物知りぶったさま。衒学(げんがく)的。(コトバンクより)
悪口?になってそうだけど、確かにそういう感じ。
いや、悪口になってるけど言葉を選ばずいうのであれば、読みやすくって児童小説っぽいというか。いや、後半が子供には読ませたくないな。
で、せっかくペダンティックについて調べたので、「ペダンティック小説」をご紹介。
ですって。ってかこれ、日本三大奇書ですやん!
そういえば、去年はドグラマグラを何とか読破したので、今年の目標は黒死館殺人事件にしよう。あと2か月で読めるのだろうか・・・
さっきからPCが国士館(健全な方)ばかり出してくるので、私のPCにもペダンティックな方の黒死舘がちゃんと出るように教え込まねばならぬ。