iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

読書感想

「影踏亭の怪談」ホラーとミステリどっちも堪能

表紙の絵が意味がわかると怖いやつなので、あえてかわいい漫画風にしてみたよ。田んぼの泥がついた幽霊。 影踏亭の怪談 作者:大島 清昭 東京創元社 Amazon はじめましての作者、大島 清昭の「影踏亭の怪談」を読んだ。タイトルをみて「うわ‐これは私好み」と…

6人のいい声で聞く「木挽町の仇討ち」

木挽町の仇討ちのイメージでDALI姉さんに書いてもらった。8回出力して一番マトモなやつ。 直木賞受賞作、永井紗耶子の「木挽町の仇討ち」を読んだ。江戸の木挽町にある芝居小屋を中心に展開される、仇討ちを巡る複数の人物の物語。物語は、以前会った仇討ち…

アガサ・クリスティーの傑作「五匹の子豚」16年前の殺人事件の真相

はじめに アガサ・クリスティーの「五匹の子豚」「カーテン」を読んだ。 特に、「カーテン」は名探偵ポアロ最後の事件で、最後ポアロ死んじゃうの~ 今まで、古典舐めてたけど、どちらもとてもおもしろかった。 「五匹の子豚」 「五匹の子豚」は、16年前の…

自意識との果てなき戦い、鬱ごはん

施川ユウキという漫画家が好きだ。 鬱ごはん 4 (ヤングチャンピオン烈コミックス) 作者:施川ユウキ 秋田書店 Amazon 「オンノジ」「銀河の死なない子供たちへ」などのストーリーはぜひみんなに読んでもらいたいし、「バーナード嬢曰く」を読めば、この世界…

はじめはみんな子供だったのに「百年の子」

古内一絵の「百年の子」という小説を読んだ。 小学館の小学一年生~六年生(とおもわれる)学年誌をめぐる長い長い物語だ。 百年の子 作者:古内一絵 小学館 Amazon 昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌。人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権…

超習慣術で習慣を身に着けたい。

メンタリストDaiGoの「超習慣術」を読んだ。 この本を選んだキッカケ 実はこの人のYoutubeとか本を以前よく読んでいたのだが、あんまり聞きすぎると「DaiGoはこう言っていた」 「それってエビデンスあるの?」 みたいな、ダイゴよりのエセダイゴ発言が増えて…

食欲という本能をしれ!「食欲人」

ブログを放置している間に、季節は進み、さてお盆である。 江戸時代であれば盆と正月しか休みがないっていう一年の区切り。えー昔の人は働き者すぎない?土日もないんでしょ?休みながら働いてたのかな― さて、最近読んだ本でぐぐっと来たこれ「食欲人」 食…

基本、美女と逃げる話「ロバートラングドンシリーズ」

ダンブラウンの「ロバートラングドンシリーズ」を読んだ。 基本ずっと逃げている めちゃくちゃ面白かったけど、全シリーズにおいて言えることは、とにもかくにもずーっとロバートラングドン教授が美女と逃げている話だ。 毎回毎回タイプの違う美女がでてきて…

人生の長期戦略がチャチャっとわかる!「ロングゲーム」

DAIGO推薦!に惹かれて「ロングゲーム」を読んだ。 自己啓発本なんだけど、読めばすぐ明日から使える情報、と言うよりは、長い人生を見据えていかに戦略的に自分のやりたいことを実現していくか、と言う内容。 ロングゲーム 今、自分にとっていちばん意味の…

本屋パトロール紀伊國屋書店博多店

すっかり ご無沙汰して、一ヶ月以上ブログををサボってしまった。 原因は、ある本を読んで感想アップしたい、と思ってる矢先に次の本を読んで、なんか前の感想アップしなくちゃみたいなことが連鎖した、積読ならぬアウトプット渋滞だ。 ある本って言うのは島…

箱からはみ出した人たち「汝、星のごとく」

「流浪の月」で本屋大賞を受賞した凪良 ゆうの「汝、星のごとく」を読んだ。 汝、星のごとく posted with ヨメレバ 凪良 ゆう 講談社 2022年08月04日頃 楽天ブックスで見る Amazonで見る Kindleで見る その愛は、あまりにも切ない。正しさに縛られ、愛に呪わ…

三面記事だからこその恐怖「三面記事小説」

1月というのに暖かい雨が降る日だった。 こんな日は出かけても濡れるし、家で大人しくしているのがいいのかもしれない。 それこそ、積読消費に励む。 というわけで、角田光代の「三面記事小説」を読んだ。 三面記事小説 (文春文庫) 作者:角田 光代 文藝春秋 …

かける言葉は「ありがとう」だけ「政治学者 PTA 会長になる」

オカケンこと岡田憲治の「政治学者 PTA 会長になる」を読んだ。 (よく考えたらすごい名前じゃない?憲法の憲に治めるって) 政治学者、PTA会長になる 作者:岡田 憲治 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 最初に言わせてもらうと、この本めちゃくちゃよか…

ハッシュタグ#ある朝殺人犯になっていた

藤井清美の「#ある朝殺人犯になっていた」を読んだ。 #ある朝殺人犯になっていた 作者:藤井 清美 Audible Amazon タイトルに#(ハッシュタグ)がついてるなんて面白い。 売れない芸人「浮気(浮気と書いてうきと読む)淳弥」28歳が、 知らぬ間にSNSで大炎上…

日記文学

今週のお題「日記の書き方」ということでこのブログで紹介するなら、日記文学かなーということで、調べてみた。 大昔から書かれていた日記 まずは古典の世界から。 土佐日記 土佐日記 作者:紀 貫之 Audible Amazon こちらは「男もすなる日記というものを女の…

1番幸せな(とほんわか雑記に見せかけてギラついた)休日の過ごし方

好きなこととかやりたいことは、幸いにもたくさんあるけど、一番幸せなことはブックカフェで時間を気にせず過ごすことかな。 ほんで、今日読んだ本はこちら。 文章で金持ちになる教科書 作者:しかまる(福田卓馬) KADOKAWA Amazon 書いてることがまともすぎ…

しをんちゃんのAudibleオリジナル作品「墨のゆらめき」

三浦しをんの「墨のゆらめき」を読んだ。いや、正確に言うと聞いた。 (大好き過ぎて、作者をつかまえてちゃん付けしてしまった・・・) 墨のゆらめき 作者:三浦 しをん Audible Amazon 【オーディオファースト作品】直木賞作家・三浦しをんによるAmazon オ…

かっこよく、バカバカしく「横浜駅SF」

柞刈湯葉(いすかりゆば)が書いた、第一回カクヨムWEB小説SF部門大賞の「横浜駅SF」を読んだ。 横浜駅SF【電子特典付き】 (カドカワBOOKS) 作者:柞刈湯葉 KADOKAWA Amazon 日本は自己増殖する<横浜駅>に支配されていた。脳に埋め込んだSuikaで管理さ…

最後にピースがハマる時の恐怖「怖ガラセ屋サン」

澤村伊智の「怖ガラセ屋サン」を読んだ。 怖ガラセ屋サン (幻冬舎単行本) 作者:澤村伊智 幻冬舎 Amazon 誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在――。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナ…

なんだか楽しくなっちゃうよー「ヒッキーヒッキーシェイク」

津原泰水の「ヒッキーヒッキーシェイク」を読んだ。 ヒッキーヒッキーシェイク (ハヤカワ文庫JA) 作者:津原 泰水 早川書房 Amazon ヒキコモリ支援センター代表のカウンセラー竺原丈吉(JJ)は、いつも度の入ったサングラスを掛けて場当たり的に喋る、実に胡散…

夏といえばSF。マイ・ベスト5

今週のお題「SFといえば」だが、私的にはなぜか夏といえばSF。 怪談ぐらいではひんやりしない酷暑の日本。「夏SFで現実逃避」を提案したい。 毎年夏には色んな人にオススメのSFを聞いて回ってるのだが、読んで見るんだけどイマイチ分かんなかったぞ。という…

横溝正史の金田一「ではない」シリーズが読める!

いつのまにか、KindleUnlimitedに横溝正史の作品が追加されていた。 髑髏検校 (角川文庫) Amazon 張り切ってダウンロードするも、いまいちノリきれず読み終わるまですごく時間がかかった。 髑髏検校はなんと天草四郎が死後吸血鬼となって美しい容姿で若い娘…

嘘つきは六人じゃないかもね。六人の嘘つきな大学生

六人の嘘つきな大学生 (角川書店単行本) 作者:浅倉 秋成 KADOKAWA Amazon 久々、ミステリらしいミステリだったな。 とはいえ結局、最後はどちらともとれる微妙な着地。 筆者は採用面接によほど深い恨みがあるのだろうか、人事の採用担当なんて、クソだ!と言…

一難去ってまた一難、横溝正史の「雪割草」

横溝正史の「雪割草」を読んだ。 雪割草 久しぶりに、横溝正史のミステリ以外の作品を読んだ。 雪割草、美しい花である。 超ざっくりとしたあらすじは、諏訪の湖で育った美しい娘、有為子が育ての父の死を機に実父を探すために上京し、騙されて危うく売られ…

「残月記」は2022年の1984年なのか?

本屋大賞にノミネートされていた小田雅久仁の「残月記」を読んだ。 残月記 作者:小田雅久仁 双葉社 Amazon 近未来の日本、悪名高き独裁政治下。世を震撼させている感染症「月昂」に冒された男の宿命と、その傍らでひっそりと生きる女との一途な愛を描ききっ…

わからない?「推し、燃ゆ」

宇佐美りんの「推し、燃ゆ」を読んだ。 第164回芥川賞を受賞、しかも21歳の女性ということでおおいに話題になったよね。 娘が早速購入しているのを横目に「読もうかな、読むのやめとこうかな」と謎のツンデレを噛ましていたが、先日ようやく読了した。 推し…

世之介に出会った人生と出会わなかった人生「横道世之介」

現在、毎日新聞に連載中の小説「続々横道世之介」。 もうすぐ40代の中堅カメラマンとして楽しく暮らす世之介がえがかれている。 今は、あけみちゃんという料理上手で芸者の血を引くなかなかチャーミングな女性と同棲中。ただし、全く色っぽくはない。 なぜな…

おまえは戦うのか死ぬのか?「同士少女よ、敵を撃て」

今年の本屋大賞を受賞した逢坂 冬馬 の「同士少女よ、敵を撃て」を読んだ。 同志少女よ、敵を撃て 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon 独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によっ…

圧力高め!「テスカトリポカ」

たて続けるように2022年このミス(このミステリーがすごい)2位の「テスカトリポカ」を読んだ。 うーん、独特。というか、怖い。 絶対悪という言葉が思い浮かぶような話。 ミステリーに期待される謎解きとか、どんでん返しとかはない。ただひたすら答え…

なんにせよ最高だよ「教養悪口本」  

悪口を言って愛される人が現れた。 堀元見の「教養(インテリ)悪口本」だ。 教養(インテリ)悪口本 作者:堀元 見 光文社 Amazon すぐ「海外では~」と言い出す人に使えるインテリ悪口「鹿鳴館精神を身につけてる」、憶えた言葉をすぐ使いたがる人用のイン…