昼休みにふらふらとブックオフへ行った。
その日のお目当ては夏だからちょいとホラーっぽいマンガがあれば、だった。
いや、もっと言えばその前の日にTwitterで知った高階良子のマンガがあればゲットしようという腹だった。70年代から活躍している少女漫画家だ。
じゃじゃーん。お目当ての高階良子を含む3冊をゲット。
勇んででレジに行くときは何にも考えてなかったわけですよ。
財布以外持っていない手ぶらであることをすっかり忘れてた。レジ袋いかがされますか?一枚3円です。といわれるまでね。
ま、これくらいなら手で持てるしって断ってそのまま店から出たのだが。
・・・エレベータで若い同僚たちと乗り合わせてとっても恥ずかしかったとさ!
やっぱブックオフの透けないレジ袋には意味があったのだな。
いわれのない(こともないが)辱めを受けてしまったぜ!という話を娘にしたら
「あーそりゃ、妖怪サンエンケチリだ」と言われた。
なんですか、令和の世にそういう妖怪が生まれたらしいですよ・・・
ええ、もちろん地球にやさしい鬼太郎の仲間です。
さて、恥ずかしさを忘れるためにふごふごと読んだ。
少女の肩上であざ笑う不気味な人面疽。そこには隠された謎が……
サーカスの花形スター・潤にはだれにも言えない秘密があった。それは彼女の肩にきざみこまれた人面疽……。その潤の周りで隠された財宝をめぐって次々と惨劇がおこっていく。そのたびに、なぜか潤の右肩はうずくのだった。
横溝正史原作『夜光虫』のコミック版。ほか3編を収録。
そう、私のAmazonさんがなぜか高階良子のまんがを推しまくってくるのでなぜかと思っていたが、なんと原作横溝正史ということらしい。
この作者さんは、横溝正史のコミカライズを多く手掛けていてその多くがタイトルまで変えられているのでとても気づきにくい。
さて表題の「血まみれ観音」はタイトルのインパクトだけで涼しくなるどころか軽く発熱しそうだが横溝正史の「夜光虫」が原作。
残念なことに未読だが、どうやら原作をだいぶん編集してあるらしい。
サーカスに売られた両親を知らぬ娘「潤」と彼女の父の残したお宝を狙った大勢の有象無象、幼いころに結婚を約束した青年、などなど当時の少女たちをキュンキュン楽しませたであろうなぁ。
ネタバレ気味だが、肩にほにゃららを埋め込まれたためその傷口が人面瘡になってしまうという。
人面瘡・・・今調べたら結構ショッキングな画像が出てきてチーンってなった。
でも、架空の病気とも書いてあった。大人になったいまでももしかしたらと思ってしまう。
なぜか、kindle版は角川文庫からで出ていない。(いつものあの感じの表紙じゃない!)
さて、次は山岸涼子の私の人形はよい人形。有名だが読んだことはなかった。
怖いわ!しかし、怖さを感じる基礎知識が足りなくて恐怖も8掛けだった気がする。
タイトルになっている「私の人形はよい人形」というのは当時のわらべ歌だったようだが、登場人物たちが口ずさむそのフレーズを知って読めば、おそらく怖さは倍増するだろう。
絵柄は、細くて繊細。いわゆる白っぽい画面なのだがその乾いた感じがまた怖い。
美しい人形を自分のものにしたっていう女の欲求が、ドロドロしているはずなのにどこか遠くから眺めるような淡々としたストーリー展開。
最後に美少年の霊能者も出てくるところも素晴らしい。
古今東西、怖い人形の話というのはたくさんあるだろうがまさしく横綱級と思われる。
終わり方もね、イヤーな感じなのよう。
もう一冊買ったんだけど。
既に読んだことあったけど何となく。だって110円だったから。
最初のページにこの漫画のトリックは占星術殺人事件のトリックを使っています。と堂々と断ってあった。
ほー、
実は金田一君の事件簿のエピソード、今読んでいる有栖川有栖シリーズでもちょいちょい見かけるのだよ。
これってやはりお断りとか入れてるのだろうか?
こちらも、当時の日本中のミステリファンをあっと言わせた名作。
これを読んだあと友だちに、私の体が切り刻まれた時の判別方法を語り出して引かれた。
右腕は三角形のホクロがあって、みようによっては、かわいい熊ちゃんに見えるのでここはよう覚えといて欲しい…と。
汚れなき女子大生時代である。
ちなみに、歳を取るとホクロって増えたり減ったらするんですな。今では切り刻まれたらわからなくなっております。
そんな感じで、妖怪サンエンケチリは次は何を買おうか悩み中である。
山岸涼子が思いのほか刺さったので、検索してみたけどどうやらkindle化お断りの作者さんのようで、ない!
これはまたブックオフ案件ですな。