集英社の夏の文庫キャンペーンでおまけにつられて買った一冊。
(結局、しおりは品切れでもらえなかったんだけど)
この話、ホラー短編集なのだがその前後と間に作者と編集者のやりとりが挟まれていて、創作なのか実話なのかわからなくなってくる。
全編を通して、テープに吹き込まれ資料を元に再編された創作怪談ということになっているが、テープを聴いた担当編集者が徐々に怪異を経験し、突然消えてしまったりまた復活したり、とまさしくどこまで創作でどこまで実際に起こったことなのかわからなくなる。
メタミステリとは聴いたことがあるがメタ怪談は初めて。
しかもこの手法、かなり効果的だ。
読んでるうちに、自分と本の間に引いてあった境界のようなものが微妙に侵される感じ。
もちろん怪談なのでオチもなければスッキリした終わり方もない。
最後に暗号のようなものが提示される。
なんか、テープに吹き込まれた死ぬ直前に吹き込まれた声だかなんか。遺書とか、絶筆ならなんかわかるけど、吹き込まれた音声となるとかなりぞっとしない。
全く解ける気がしないので読み飛ばしてしまっていたが、先程読書レビューを巡回していたら、ちゃんと解いた人がネタばらしをしていてびっくり。
世の中には深く考えら人がいるもんだなぁ。わたし、さっさと本を閉じちゃたよ。
解決してもらえると少しスッキリ。
全体的にそこまで怖い話はないので、過激なホラーが苦手な方にもオススメ!