拝み屋郷内シリーズの「花嫁の家」を読んだ。
拝み屋を営む著者が、これまで一度も最後まで語ることも記録に残すことも許されなかった、忌まわしき怪異譚をここに開陳。“花嫁が必ず死ぬ”といわれる旧家では、これまで代々の花嫁が数年の内に亡くなっていた。花嫁が死に至るまでの年月に子を成し、からくも次の代へと血を繋げている。この家に嫁いだ女性から相談を受けた著者は、いくども不可解な現象に悩まされる――。戦慄の体験談「花嫁の家」と、「母様の家」の連作2篇を収録した怪談実話集。
・・・いやいやいや、これが実話って。
最終的にはSFバトルアクションみたいになってるやん!
師匠との涙の別れとかも盛り込まれちゃってるやん!
しかしこれが100%創作だとも思えないのである。
怪談としてはものすごく凝って?いて、拝み屋をやってる作者、郷内さんのところに大小さまざまの相談が寄せられる。
それぞれの事件を全く別物として受けていた彼だが、ある女性の依頼を受けることによって、実はすべてある一族にかかわる話であることがわかってくる。
若さと勢いでこれをやっつけようとする拝み屋郷内。
師匠筋に当たる人から「本当にヤバイのでやめろ」といさめられるのだが、依頼者に感情移入をしてしまった彼は
「そんな意見だけしか出せないなら黙っててくださいよ」
とばかりにはねつけ、現場に向かおうとするのだが、見るに見かねた師匠が助け舟を出してくれる。
ここら辺から、今までの実話っぽさがなくなり、代わりにまるでアクション映画のような霊能者と一族を苦しめる「何者か」との戦いの様相を呈してくるのである。
ちなみに、何者かが何者なのかは最後まで分からずじまい。
(あ、でもちょっと京極夏彦のこの作品を思い起こさせる・・・)
ちょっと、怪談ワールドがだいぶ違う次元まで行っちゃってる感じだけども面白かった。
創作ではなくても実話でもない、そんな話。(よね?じゃないと怖すぎるんだ!)
いまなら、kindleunlimtedで読めるので、ぜひ。
暑い夏の日に、ゾットしたい・・・人にはお勧めできないかな。結構手に汗握るので。
ちょっと今まで読んだことないタイプの怪談だった。