iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に忘れっぽい私の読書録。最近はもっぱらAudibleで聞く読書

「れもん、よむもん!」ある活字中毒者が出来上がるまで

はるな檸檬 の「れもん、よむもん!」を読んだ。

 

宝塚オタクで有名な漫画家の、読書に関するコミックエッセイだ。

 

この人、小さい頃「和田誠になる!」と言っていたらしい。サイコーな小学生だ。

なれなくて残念、みたいなことを書いてあったけど、いやいやちゃんと表現をするお仕事についてて大したもんだ。

 

最初は、小学校の頃の読書うろ覚え読書遍歴が笑える感じで綴られる。

私が衝撃を受けたのは以下の2点。

 

1.江戸川乱歩やアガサクリスティをちゃんと順番通りに読む!

すごい、私も小学校の頃の江戸川乱歩シリーズ全部読んだけど、あるものから読むタイプだったので衝撃。(今でもシリーズものをよく順番を間違えて読んでチクショーと言っている)江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを読んでいる時は、早く続きが読みたくて少年探偵団の話ができるお友達が欲しくて、モー大変でした。

 

2.家族全員本好きで、実家の団らんは父も母も自分もそれぞれ本を読んでシーンとしている!!

とにかく、父母の蔵書が充実していたらしく、アガサ・クリスティーとか全部あったようだ。さぞや真っ赤だったろうなぁ。

私の実家の貧弱な本棚には、父の仕事関係の資料がほとんどで、弟の本棚は博多っ子純情北斗の拳しかなかった(文学部なのに)

人の買った本が読みたいとかではなく(読みたいけど)家族が集まって誰もが各々の好きなことをしていて当たり前なのが、すごいなと思って。

ちなみに、私は一人で本読んでるのは「なんか申し訳ない」と思ってしまう。

読書は一人の時にするものっていうか。

 

 

そして、後半では徐々に成長し女子高生になったれもんちゃんが、どのような想いで「山田詠美」や「村上龍」「椎名誠」「よしもとばなな」を読んでいたかが、語られる。(心情風景を語るときには、絵柄もぐっと変わって大人びたおしゃれな印象)

 

私が簡単に「言葉にできない思い」で終わらせるところのあの17歳の気持ちを、のたうち回りながら(たぶんね)きちんと言葉とイラストにした尊敬の一冊。

 

お主やるな、と思った一冊。

 

れもん、よむもん!(新潮文庫)

あの頃、本は世界への扉だった。
いいことでも悪い事でも、本当のことなら何でも知りたかった。
最高の読書と友情を活写したコミック・エッセイ。

読んできた本を語ることは、自分の内面をさらけ出すことだった!
宝塚とK-POPを愛する漫画家が軽い気持ちで描き始めた読書遍歴は、予期せぬ展開に。
父に禁じられた『キス・キス』、絶望の淵へ突き落とされた『ココの詩(うた)』、
そして、謎めいた級友・はるなちゃんに借りた『放課後の音符(キイノート)』。
彼女と愛読書を共有しながら新しい扉が次々と開き……。
本と友との最高の出会いに満ちたコミック・エッセイ。

本文より
二十歳になるくらいまで、私は自分を活字中毒者だと信じて疑いませんでした。
手元の一冊を読み終わってしまうと落ち着かなくて、読む本を求めてあちこちウロウロする子供。昼休み、教室の誰もが外に遊びに行く中、一人床に座って黙々と学級文庫を制覇する生徒。国語の教科書はもちろん、配られたその日に一気読み(かといって内容を理解していたわけではない)。そういう学生でした。
(「まえがき」)

目次
まえがき
迷走するふたり
忘れ物番長
キス・キス
父の部屋
時計坂の家
担当ちゃん
ココの詩
衝撃のラスト
星新一椎名誠
A子と私
わからんわ
はるなちゃん
かっけー!!!!
蝶々・風葬
あこがれ
本当のこと
ラビット病・69
キッチン
ばななのこと
生きるために
あとがき
解説 山田詠美
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次に読みたい本

めちゃくちゃ褒められていた村上龍。じつは一冊も読んだことがない私。

死ぬ前に読めるかなー、せっかくだから69歳になったら読むか。

(絶対ちゃう)

69 Sixty Nine (村上龍電子本製作所)

69 sixty nine [DVD]