海野十三の「千年後の世界」を読んだ。
昔の人が未来を描いたSFを読むの面白いよね。
何様のつもりって感じだけど
そんな未来なのに、コンピュータから紙テープが出てくるんかーい!とツッコミしちゃう。
バックトゥザフューチャー、みたいに。
あれはなかなか結構惜しい!ところに迫ってた。
この短いSFも、さすがに今読むと少し古臭い部分もあったけど、2025年の今でもまだまだそこには到達してなかった。
冬眠カプセルに入り千年後に目覚めた青年科学者フルハタが、未来の変わりように驚くというストーリー。
目覚めた彼のカプセルを開けたのはなんと全裸の美女だった。
ドギマギする彼に彼女が説明することには、千年後の地球では、あらゆる医療がいくところまで行き着いて、人間は死にたくなければ死ななくなっている。
内臓も骨も全て人工のものに置き換えているし、顔だって皆最初なの顔など捨て、カタログの中からもっとも好きな顔を選んで付け替えている。
皮膚だって人工のものなので見せてもちっとも恥ずかしくないのだ。
「だって私はもう900歳だもの」
では、千年後の地球はユートピアなのか?死にたくなければ死なない、という言葉はなんか裏がないか!?
最後はちょっとシニカルな終わり方であった。
これが日本のSF創世記の頃の作品と思うと、やっぱりって感じがする。
だってどこかで聞いたような話しなんだもの。
どこかで聞いた話しのオリジナルがこれなのかもしれない。
マンガ化したら面白いんじゃないだろうか。
なんとなく私の中ではプラタナスを描いた人にやってほしい。
昭和初期の作家である海野十三の作品。作者は逓信省電気試験所に勤務の傍ら、科学小説を書き続け、後に日本SFの父とも呼ばれる。若き野心にみちた科学者フルタは、棺の中で冷凍睡眠から目覚めた。しかし、一千年の時間を経て目覚めた彼を誰も出迎えてくれない。やがて、開かない密室の中での死を覚悟した彼だったが、そのとき、扉が開き出迎えたのは裸の妙齢の女性だった。果たして、一千年後の世界には何が起こっていたのか?
この表紙はちょっとなんとかしてほしい。
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