恩田陸 の「夜果つるところ」を読んだ。
先日読了した「鈍色幻視行」の作中作としてずっと話題の中心にいた、「夜果つるところ」
飯合梓が書いたこの「呪われた小説という舞台の小道具」を恩田陸が創作してしまったという、偉大なるメタ・フィクション。
実は「鈍色幻視行」の中でこの小説の内容についてはかなり詳しく語られる。
登場人物は皆この小説のファンなのだが、読み直してみると大したことなかったみたいなことも書いてある。内容についてもかなり深く語られているので、今回私はある意味ネタバレされた状態で読むことになったのだが・・・それでもやっぱり面白かった。
恩田陸すげえ。
舞台はおそらく昭和初期くらい?青年将校たちが革命を起こすためのアジトとなっている遊廓「墜月荘」でくらす幼い「わたし」
実はこの私にはいくつかの秘密があり物語の要点になっているのだが、それを私は知っている。
知っているから驚かないのだが、逆に言うとこの小説のシナリオ化を行うにあたって、この部分を抜かしてしまうなんてそれは暴挙もいいところこだ。
(そういうシーンが「鈍色幻視行」にでてくるのよ)
うわーーー、昨日読んだ時に味わえなかった衝撃が今来た!
昨日読んだ時にわかった気になっていた「まさはるの妻の自殺」の理由がここにきて完全腹落ち。
2冊読み終わったところで、一冊目が完結するって恩田陸やっぱりすげぇ・・・
これは2冊とも読むべきなのに別々に販売されたら間違ってこっち先に読んだ人にこの衝撃伝わらなくない??
いやでも、逆に読んでもそれはそれで面白いか(でももう元には戻れないよね)
とっても控えめながら、大仕掛け。これは引っかかりに行ってほしい、みんな。
執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!
遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。孔雀の声を真似し、日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。表情に乏しく、置き物のように帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。
謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。
次に読みたい本
隠された帝というキーワードで私の引き出しの中にあるのはこれだけです 。

