失業中の栗原一蔵と田中三郎のふたりは
浅草公園で偶然隣り合わせる。
「どこかでお会いしたとはありませんか?」
なんだか見覚えがあるのだが、どうしてもどこであったか思い出せない。
思い出せないながらも喫茶店へ場所を移し、話が弾む二人。
あなたは、死んだ姉の想い人だったのではないでしょうか。
姉の遺品のロケットにあなたの写真が隠すようにこっそり忍ばせてありました。
さては、片思いとばかり思っていたがあの人も俺のことを思っていてくれたのか。
にわかに今の自分の妻が疎ましく思えてくる。
しかし、最後は少々ブラックな落とし話のような結末が待っていた。
短い話なのに、最初の謎が解決したかとおもって、一瞬気を緩めた読者に足払いを駆けるようなもう一つのしょっぱい真実が突きつけられる。
いわゆる、二段階落ち?
すっかり俺に惚れていたはずの女の子いたと思ってるんるんだった栗原さん、残念!
それにしてもタイトルの付け方がおしゃれよねー。
で、上記の説明をして書いてもらった画像がこれ。まんざらでもない。
(でも、楽しくない)
江戸川乱歩(えどがわらんぽ)1894-1965
推理小説家。本名、平井太郎(ひらいたろう)。大正12年、「二銭銅貨」でデビュー。有名なキャラクターとして、明智小五郎、小林少年、怪人二十面相、少年探偵団がある。