太刀洗万智シリーズの一冊目らしい。(そんなシリーズがあったのね・・・)
大刀洗シリーズだが、彼女は本作では十分な存在感を示すも主人公ではない。
主人公は外国から来た不思議な少女と、雨の中で彼女を助けることにした俺(守屋)。
ユーゴスラビアから来たマーヤの帰国後を案じる俺が思い出を交えて、記憶中からゆっくり推理を進めていく話。
日常の謎系のミステリでもあるのだが、最後の謎解きは高校生の青春ミステリと思って読むとガツンとやられる感じ。
世界情勢に疎いので頭にあまり入ってこなかったのがつらいのだが、そんな終わり方しなくてもいいじゃない、と思うアマちゃんの私。
ずっとクールだっ大刀洗万智が最後激しく思いを吐露するところも印象的。
「哲学的意味がありますか?」
一九九一年四月。雨宿りをする一人の少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国したとき、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶の中に――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。著者の出世作となった清新なボーイ・ミーツ・ガール・ミステリ。
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