伊兼源太郎の「リンダを殺した犯人は」を読んだ。
警察官バティものだけど、ちょっと珍しいところは女性が上長なのところ。
初読みの作者さんだけど、なんとなく予想通りの軽さというか読み応え。失礼か?
この本、タイトルでちょっと損している気かする。
じゃ、お前ならどんなタイトルつけるんだ、と言われるとアイデアはないんだが、せっかく外国人労働者の深い闇を暴いてるのだからそれに搦めて技能実習殺人事件とか?いや、ダサッ!
タイトル決めるのって難しいのね。
警視庁捜査一課に所属する女性刑事・志々目春香と後輩の男性刑事・藤堂遥の〈ハルカ〉コンビ。新宿・大久保の古いマンションで若いベトナム人女性「リンダ」の死体が発見された。彼女が来日してからの足取りを追うため、二人のハルカは四国にある水産加工場へ向かうが、そこで見えてきたのは、外国人労働者を搾取する国の制度と、そこに巣食う闇の世界だった。彼女を殺した真犯人は一体誰なのか、たどり着いた驚きの真相とは……!? ドラマ化『密告はうたう』の俊英が放つ、一気読み警察バディ小説!
2人ともはるかという名前の警察官コンビなので片方は、小さいハルカでコハルと呼ばれている。
ただ、コハルは部下の男性の方だけど。
この小説、外国人実習生の過酷な実態ともうひとうのテーマは、男女差別ダメよとか、見た目判断ダメよ、という当たり前だけど大切なことをこれから警察の組織で声を出して伝え続けないといけない若いコンビの話とも取れる。
そのうち、男性、女性という言葉も使えなくなりそうだとボヤきながらも、そんな意識が1ミリもないマッチョな警察組織で戦っていくために、私は出世欲めちゃくちゃあふわよ、と嘯くはるかはかっこいいかも。
外国人技能研修生の話が重たすぎて、犯人探しについてやや気持ちがついて行けなかったかも。
犯人はかなり後半にひょっこり出てきた人物で、一瞬脇役と思ってたから意外なだけで、そんなことやりそうなクズ野郎だった。
そういう今では驚きはない。
無事犯人が捕まったから良かったものの、外国人労働者を搾取する国の仕組みを知り、なさけなく恥ずかしい思いがした。
日本、これからどうなるんだ。とどんよりしちゃったよ。
次に読みたい本
同じ作者のドラマ化した1冊。


