アガサ・クリスティの「葬儀を終えて」を読んだ
リチャードは殺されたんじゃなかったの――アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが口にした言葉。すべてはその一言がきっかけだった。 翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて調査に乗り出したポアロが一族の葛藤の中に見たものとは？
アガサ・クリスティの「葬儀のを終えて」は、一族の秘密と裏切りが織り交ぜられたミステリーである。……と、言うのは嘘である。
ネタバレになっちゃうけど、嘘なんですよ！
ほんとにクリスティすげーな、と思うオチが用意されている。
ポイントは、名門一族の遺産相続争いがいかにも連続殺人に発展しているように思い込まされる、というところ。
探偵エルキュール・ポアロが調査を進める中で、一族の隠された過去や複雑な人間関係が次々と明らかにされる。
この中の誰かが殺した？誰が？とみんなが疑心暗鬼になってしまう。
物語の魅力は、単なる謎解きに留まらない。アバネシー家の個性的なメンバーたちが魅力的だ。
いかにも怪しい甥や姪、その伴侶。超面倒臭い老人、老いたる執事、芸術家、料理上手なお手伝い。
ポアロが見つけ出した真実は、意外なものである。犯人が明かされた瞬間、読者はクリスティ特有の巧妙なプロットに唸らされるだろう。
私は最後まで犯人分からずで、ポアロの解決辺あたりは無言で固まった。
予想、裏切られます！
ポアロはいつになく大人しくみえた。
今回は灰色の脳細胞が勘の鋭い女性に負けてタジタジな一面も見られて面白い。
アガサ・クリスティの作品としてそんなに有名なものでは無いと思うがそれでさえこの出来か！やっぱりミステリの女王と呼ばれるのは伊達じゃないね！
次に読みたい本
これはねー、理由を言うとネタバレになっちゃうけど、わかるかな？
