とある社長邸のパーティに招かれた推理作家・有栖川の目前で毒殺事件が発生! 邸内にいた十人の中でグラスに毒物を混入できたのは誰か、そして動機は……。犯罪学者・火村が超絶論理で謎に挑む表題作ほか「助教授の身代金」「ABCキラー」「推理合戦」を収録。本格推理の醍醐味に満ちた〈国名シリーズ〉第8弾。
とうとう以前買った「国名シリーズ9冊合本版」の最終話である。
ややこしいが、9冊合本版の1番最初の一冊だけは、国名シリーズではない。
合本版、1冊ずつの余韻とか全くなくすぐ次に行くので(私が読み上げ機能でしか読書していないからだけど。)あっという間に読んでしまい、ちょっともったいなかったかな?
出版を今か今かと待ちわびる時間がなかったので、楽しみは半減。
でもまだ完結していないようなので、今後は歳をとらない火村と有栖をずっと追いかけ続けねばならない。
どちらかというと、完結した話が好きなので進撃の巨人もキメツの刃も完結号が出たら改めて教えてくれたまえ派だ。
なので、ガラスの仮面!そろそろマジでお願いしますよ!
もうさー宇宙とかまで出てきちゃって、広げた大風呂敷を回収するとこを観ないと死ねない。
話がそれがた。
今回の「モロッコ水晶の謎」は下記の4つの中編集。
「モロッコ水晶の謎」
資産家で起こる殺人事件にたまたま(そろそろコナン化してきた?)遭遇した有栖。
その家には若いころ外国をさまよってきた占い師の女とその姪も一緒に暮らしていたのだが、そもそも、家に占い師を寄宿させるお金持ちってどんだけじゃ~。
この占い師、当たると評判の割には意外と気弱で、自分に降りかかる火の粉すら払えない様子。まんざら当たらないペテン師でもなし、なぜにわざわざこの家に住み着いているのかな?っと思いきや案外ほほえましい理由だった。
だが、容赦なく起こった殺人はそんな彼女の占いを利用?というより妄信した、
そう言う考え方もできるが、だがしかし、と思うような驚きの動機。
まあ、ある意味中途半端に力のある占い師のせいでこんなことになったともいえる。
「助教授の身代金」
この話を書いたときは、准教授という制度ができる前で火村の身分も助教授だ。
だが、ここで誘拐されたのは火村ではないのでご安心を。
たしか、この話はドラマ化された中に入っていたはず。
ほんで、大島じゃなくて児嶋さんが出てたはずよ。
(調べた。でてた。それにしてもグーグルすごい。’大島じゃない’で検索して、無事ドラマのとこまでたどり着くからね。)
彼の犯人役ははまり役であった。
「ABCキラー」
こちらもドラマ化されていた話。
Aという場所でイニシャルがAの人が殺される、というアガサクリスティ「ABC殺人事件」を模した連続殺人か?と大騒ぎになるが実はというやつ。
このトリックね、すごいと思う!
犯人の奸智に憤りを感じる、ってやつですよ。
いや、憤りを通り越して天才かと思うやつですわ。
私といえばドラマに、原作には出てきていない女子が出ていたことの方が憤りを感じている。 何年も前のドラマに思い出し憤りしてもしょうがないんだけど。
こちら、タイトルだけは有名だが実は読んだことない人多いのでは?
(私は去年読んだし!なんのどや顔かわからんけども。)
kindleunlimitedで読めるので未読の方はぜひ。
さすが名作、というかポアロが想像以上にかわいい感じで、にやついちゃった。
多くのパロディだったりパクリだったり、パスティーシュだったりを生み出すのは、名作だからこそですな。
「推理合戦」
推理小説家の舞台裏を少しだけ垣間見させてくれるようなお話。
人も死なないし、にやりとさせられていい話だと思う。
私も焼き鳥が食べたくなってきた(割と年中食べたいけど)
以上、4編。どれもこれもある意味うまい!と思うお話ばかり。
ミステリはこうでなくちゃ、という心地よい読後感。
それにしても、ドラマでも結局うやむやだった火村の「人を殺したいと思った」とかいう、あやうい過去は全く進展なし。
割と今まで順番関係なく読んできたので、そろそろ出版順に読み返してみないとな。
そういえば読書の秋だし。