三森みさの「いいかげんに生きづらさを終わらせたい: トラウマ治療体験記 」をよんだ。
おすすめに何度も上がってくるし、星もたくさんついているようなので、軽い気持ちで読み始めたら、かなり重めの内容でぜんぜんサクッとさらっとなんて読み飛ばせなった。
頭についている触覚のようなものは、触覚ではない(多分)彼女は昆虫ではない。
同じ被害を受けてもトラウマになる人もいればならない人もいる。
だから、「そのくらいのことで・・・」と他人が判断するのはおかしいのだ。
これは、本当に気をつけないと行けないなぁ。
そんくらい、大丈夫!と簡単に被害者を励ましたりするのは本当に良くない。
「過去に囚われることが愚かだとはわかってる。でも、記憶は消えない…!」
6年前の性被害のフラッシュバックに苦しみ、心理療法を受けることになった著者。
カウンセリングだけでは生きづらさが改善しなかったのは、自律神経の調整が鍵だった!?宗教虐待、親子関係、依存症、性被害、恋人とのトラブル……
様々な苦しみを乗り越えたトラウマ治療体験記。この漫画を読めば、あなたのトラウマを克服するためのヒントが見つかるはず。
作者は、若い頃男性に強制わいせつをされた経験を持つ。
彼女にとっては声もたてられないほどの恐怖だったのだが、周りは、酔ったはずみとかそのくらいのことでとか、拒まなかったお前が悪い、とか被害者を更に傷つけてしまうようなことばかり。
よく、「犬に噛まれたと思って忘れなさい」というアドバイスをする人がいるけど、じゃああなたは犬に噛まれたことを忘れられるのか。年配者の常套句は危険である。
(現代日本で野良犬に噛まれるのは痴漢よりレアかもしれん)
彼女の心の変遷はぜひ漫画を読んでほしいのだが、ちゃんと自分で立ち直ろうとしてものすごい努力と勉強をしているのだ。
同じ被害を受けても、ここまで苦しまない人もいる。ただ、実際ここに苦しみ抜いてわらをもすがるつもりで自分の力で変えようと頑張ってる人がいた。
彼女は自分の苦しみを抜け出すために、自助グループで自分の話をしたり、カウンセリングをしたりきちんと向き合おうとしている。
それでも過去の記憶のフラッシュバックに苦しめられるので、いっそ記憶を消してくれる療法はないかと、の心理療法専門家の戸を叩く。
いや、ここに出てくるプロのがすごいんだわ。
魔術師ではない、と書いてあるがちょっとすぐには信じられないアプローチ方法で彼女の苦しみを取り除くワークを行う。
それこそ言葉の誘導だけで療養していくのだ。一体何が起こってるのか、不思議だな~
ちょっと、言葉では伝わりにくいこの療法を漫画という形で表現してくれているのではてなはてな、と思いつつ読めてしまった。
作者の壮絶な体験談を漫画という形で共有してもらえて良かった。
まさしく「共有感謝!!!」である。
昔24人のビリー・ミンガンという話を読んでたいそう面白かったのだが、この人は心のなかに80人の人格を抱えていた。
(それも全部、漫画にしてくれている)もちろん日常生活で別の人格がでてきたりするわけではないのだが、それでも自分の中にいるそれぞれの人格を区別して傷ついていたり怒っていたりする人格を一つ一つ丁寧にケアして行く様子もかかれている。
いや、数ページに押し込んでるけどすごいことなんじゃないだろうか・・・
不思議な世界を垣間見せてもらった感。Kindle Unlimitedで読めるので、ぜひ。
次に読みたい本
ミステリーと言うなかれ、のライカさんも二重人格だったねー