伊坂幸太郎の「クジラアタマの王様」を読んだ。
なんと、現世ではクレーム対応中のサラリーマンが異世界でドラゴンだのオオトカゲだのと大きな剣や矢で戦う話だ。
こ、これは今アマゾンのランキングを席巻している、いわるゆところの「なろう系小説」??では。
※なろう系とは・・・小説家になろう、というサイトから流行り始めた、異世界に転生してどうのこうのするという類型のこと
そんなに、現世が嫌なのかとも思うが、現在この異世界で~というのは大流行のようで、アマゾンのラノベコーナーは面白いくらい異世界に転生している。
むしろ私が若い時代は転生もせずにどんなラノベ(あの頃はジュニア小説とか言ってたかな?)を読んでいたか説明出来ない程である。
私もキンドル無料で読める異世界転生するおはなしを漫画をいくつか読んでみた。
いや、「転生しても驚かないんだ!」 と驚いた。
いわるるミステリ好きにも「お約束」があるように異世界転生ものも、いくつかのお約束なあるのだなぁと妙に関心した。
一定のルールを知っていたり楽しめたりする素地がないと「こんなの意味ない」とか無駄な攻撃をしてしまうので気をつけようと思う。
意味がないのではなく、自分に意味がわからないのだということ知れば丸く収まるってもんよ。
ところが伊坂幸太郎がなろう系を書くと、このお約束を知らないユーザーへの配慮が行き届いている。
主人公自体が異世界(夢の世界)を最初から最後までイマイチ半信半疑なのだ。
ココらへんの感覚がすばらしくて、異世界でパーティーを組んで戦う者たちが現世でも連絡を取り合い現世でも協力し合う話なのだが、彼以外は国会議員だったり大人気アイドルだったりする。
異世界と現世界はつながっていて、夢の中でオオトカゲを倒せば現世で抱えている問題も解決する。
細々したくすぐりが入りながら、結局最後はコロナを思わせるウイルスのパンデミックから世界を救うという話になる。
それぞれのキャラが生き生きと活躍する、さすがの伊坂幸太郎的な小説。
とくに、議員の妻(最後まで名乗らない)、あなたサイコーだわ。
エンタメはこうじゃなくちゃと思わせるスカッとした話。
kindleunlimitedで読めるので、ぜひ(2021.05現在)
ついでといっちゃなんだが、異世界に転生する漫画でこないだ読んだこれが、大人な世代にも面白いんじゃないだろうか(絵柄が、だけど)
水木しげるのいたこ漫画家、ドリヤス工場の「異世界もう帰りたい」
タイトルだけですでに笑える。そうだよな、私だったらまあ帰りたいわ。
こちらも、kindleunlimitedで無料で読める。・・・スバラシ。
それから80年代の若者がよく読んだ今で言うラノベ、一つ思い出した。
コバルト文庫・・・ちょっと、ターゲット年齢低いかな?
なんて素敵にジャパネスクとか、宇宙皇子とか読みだしたら止まらなかったわ~