令和のこの世に諸星大二郎御大の漫画にハマってしまった。
デビューが70年代!
この表紙の癖の強さよ。
ぬばたまの闇の底どよもす呻き声。冥き世界にうごめく異形の者ども…。異端の考古学者・稗田礼二郎が暴きだす、触れてはならぬ…暗黒の日本史!! その圧倒的スケールで、漫画界を震撼させた空前絶後の傑作「妖怪ハンター」第一弾!! 幻のミッシング・ピース「死人帰り」も掲載!! 暗黒の邪神、深き底より…まいる。
今年は、すごく古事記絡みの話がアンテナに引っかかってくる。
私のなかで、古代史ブームが巻き怒っているのである。
伝奇ミステリーという分野なのかしら?
とにかく、異端の考古学者・稗田礼二郎がかっこいいわけでもないし、いいこと言うわけでもないんだけど読みだしたらやめられない。
妖怪ハンターと言いつつ、少なくとも水木しげるっぽい妖怪は出てこない。
水木しげるの妖怪が砂絵のような乾燥を感じるのに対して、諸星大二郎の妖怪はなんと言っても湿った人毛のような嫌さがある。
触りたくない感じ。何なら妖怪ハンターの稗田さんもまあ怖い。
しかし!稗田さんは最初の設定が「ジュリー」みたいな人。
ご存知沢田研二、といえば当時一斉を風靡したセクシーメンズだ。
その設定が生きて映像化された時は沢田研二が主演だ。これ、みたいな。
沢田研二、元気かな・・・
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こちらは、名前のない「もの」に関するお話。
名前をつけることによって、その「もの」に生命をを与えてしまう。
ファンキーな新興宗教教祖が出てくる。説教はラップ。
魔障ヶ岳の山中にあるという古代の祭祀遺跡「天狗の秘所」を調査に訪れた稗田礼二郎らが出会ったものとは? 調査に同行していた学者や山伏の身辺に次々と起こる異変。“御神宝”「天狗の宝器」とはなんなのか? 稗田を追ってくる「名前のないもの」を妖怪ハンターとして鎮めることができるのか? 圧倒的世界観で読むものを魅了する諸星大二郎ワールド!!
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さて、こちらの妖怪ハンターじつは稗田の生徒たちシリーズというのもあってこちらもなかなかおもしろい。
夢見村は、夢を売買する風習の残る村。大学で民俗学を学ぶ薫くんはこの村の調査のために訪れるのだが、まんまと村人に利用され死者と夢を交換する羽目に陥る。
もうひとりの教え子、大島くんと渚ちゃんが活躍する「悪魚の海」の2本立て。
いやー、諸星大二郎という人は悪夢を取り出すのがうまい。
一見して下手?だけど迫力のある絵におののいていると、いつの間にか大きな風呂敷の中に放り込まれている感じ。
ぐぬぬ、いやや~と思いつつ彼の作ったワールドに取り囲まれてしまう。
なんだろう、ちっともおすすめしている感じがしないのだがオススメである。
そもそも、諸星大二郎の漫画の魅力を伝えきるほど私には語彙力はないのだよ。
ただ、ね。北九州漫画博物館の展示をコロナのせいで二の足踏んでるうちに終わってたのがが悔しいのだ。
これ、見たかったなーなんで私来週行こうなんて思ったんだろう。
会社休んで行けばよかったぜ!