iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

ワクワクとか青春とか「幻獣ムベンベを追え!」

今年の私の読書ライフの収穫の 一つは間違えなく高野さんの冒険小説との出会い。

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

幻獣ムベンベを追え (集英社文庫)

 

 太古の昔からコンゴ奥地の湖に棲息するという謎の怪獣・モケーレ・ムベンベ発見を賭け、赤道直下の密林に挑んだ早稲田大学探検部11人の勇猛果敢、荒唐無稽、前途多難なジャングル・サバイバル78日。子供の心を忘れないあなたに贈る、痛快ノンフィクション。

 

 高野さんがまだ大学生のころなので、おそらく80年代?
早稲田大学探検部がアフリカ奥地の湖で、ムベンベというネス湖ネッシー的な生き物を探すノンフィクション。

 

最後に、探検隊全員の顔写真と一言コメントみたいなのが載っているのだが、その白黒写真から立ち上ってくるのは「いたいたこんな人!」という親近感。

 

ワイルドさと頭の良さを兼ね備えた早稲田大学探検部のメンバーは、果たしてムベンベを見つけることができるのか??

 

・・・結論からいうとムベンベは見つからない。
それどころか、湖が浅すぎたり否定的なデータばかり出てくる。でも、高野さんは「今回は出会えなかった」というコメントで締めくくっている。底抜けのメンタルも持っている方なのである。

 

一見大学生のサークル活動のようなバカ騒ぎかと思いきや、高野さん、ムベンベ発見のための周到な用意、スポンサー集めなどおそらくものすごく大変だったろう事にはあまり触れていない。

 

こういう飄々とした人って好きだな~

 

一番すごいなと思ったのは、情報収集のために現地の言葉を習熟したり、日本にはほとんどない現地の資料を読むために、フランス語を学習したりするのだが「ある日電車で隣に座ったのがフランス人女性」としるや、その場でフランス語を教えてほしいと頼み込んで、ついにはフランスでの拠点獲得のツテまでゲットしちゃっているのである。

よくぞナンパと間違えられずに済んだものである。

そこらへんも、極めてあっさり数行で済まされているが、いろいろ面白い話が眠っているのかもしれない。

 

冒険の旅に出られるっていうのは若者の特権かな?いやいや、まだいけるでしょ!
しばらく忘れていたワクワクをもう一度感じたい方におすすめです。