Amazonのレビューと★を信じる私
数ある金田一耕助シリーズ、といってもアマゾンで開いてレビュー数と星が多い物から攻めていってるだけなんですけど・・・
まず、タイトルが何々?って感じですよね。
なかは、表題作貸しボート十三号を含め3編の中編が収まっておりました。
最初の1篇「湖泥」どうも読んだことあるな、という既視感というか既読感に取りつかれておりましたが、金田一耕助ファイル 全22冊合本版(おととしゲットしてひたすら読んだやつ)にも入ってないし。うーんわからん!
湖泥
お得意の、閉鎖的な田舎、それから義眼、執着心の強い年上の女との不倫。
三拍子そろっておりました。いるけどいない扱いされている人間の犯行でした。
それにしても被害者が義眼だったことが分かって、派出所のおまわりさんの発した言葉が切なすぎる。せつないわ、悪い意味で。
貸しボート十三号
こちらもまた、執着心の強い人妻との不倫が絡んできますが、最後の終わり方がさわやか三組見たいであります。
大学のボート部の男とある婦人が殺され盗まれた貸しボート十三号に乗せられて流されるのですが、その二人の遺体はなぜが首が切り落とされる途中でした。
「生首半斬り擬装心中事件」だったのです。これにはいっそ首なし死体のほうがまだいい、というすごいコメントをする金田一。
なぜ、遺体の首は切り落されようとして、途中でやめたのか。
これも、トリックに十分かかわってきます。ロジカルで面白かった!
堕ちたる天女
こちらは、同性愛者がテーマのミステリ。
時代が時代とは言え今この話を書くならば、かなり改定が必要になってきそうな表現が多かった。
こちらは、石膏に塗り込められた女の死体が発見されるところから始まります。
はて、どこかで読んだような・・・もしかして江戸川乱歩にも出てきた気がする。
中に塗り込めるのは美しい若い女、と相場が決まっています。
(調べたら地獄の道化師でした・・・)
それにしても、我らが金田一耕助、今回の堕ちたる天女の解決時にはずいぶん元気がなくて心配です。
「ぼく、帰ります。…中略…こんな凶悪な犯罪見たことがない。・・・気持ち悪い」といって、ほんとに帰っちゃいます。
せっかく、岡山から磯川警部がきて、等々力警部と初対面なのにも関わらず。
事件が終わったらしばらくぐったりすることろも、明智小五郎と違うところですね。