横溝正史の「大迷宮」を読んだ。
「あっ、ベッドの天井が!」滋の叫び声に振り向いた謙三は、思わず息を呑んだ。剣太郎少年が寝ている箱形ベッドの天井が、音もなく降りてきたのだ。二人は慌てて剣太郎を助け出そうとしたが、もう遅かった……。サイクリングの途中、夕立にあった立花滋少年と従兄の謙三は、古びた洋館に泊めてもらった。奇怪な造りをしたその建物には、10年前、行方不明になった世界的なサーカス王の遺児、剣太郎が家人と共に住んでいた。推理ジュヴナイル不朽の名作!
なんかね、江戸川乱歩ぽい。
いい時代の少年少女向け小説、いわゆるジュブナイルというやつなのだ。
とくに、「気球に乗って悪者が飛んで行っちゃう」ところとか「孤島の地下の迷路」とか「三人の兄弟がそれぞれ別のところで育てられる」とか「天井が下がってきてピンチ」とか、そりゃあもう子供心をくすぐる話。
自分とあまり歳の違わぬ少年が勇気を振り絞って事件を解決しちゃったりするので、ワクワクするのだろう。
しかも、最終的な敵はゴリラ(のような猿人)の怪獣男爵なのだ。
ゴリラのような猿人というのがいるかどうかはともかくとして、死刑になった自分の脳を弟子に移植させるというアクロバティックな方法で、頭もいいししかも肉体も強靭な怪獣男爵にが誕生したのだ。
最後は、この男爵をやっつけて、宝物を見つけまた親子で暮らせるようになる。めでたしめでたし。
うーん、やはり大人向けとずいぶん毛色がちがうぞ・・・
当然ながら少年が主人公なので金田一耕助は控えめである。
(ただ、主人公の滋少年は金田一の事を、最初は貧相なので少し馬鹿にしていたけど、すぐに尊敬のまなざしを注ぐようになる)
少年の日を懐かしみたい方におすすめ!
というか本当に今の子供に読ませてみたいと思う一冊。
私が大人になったから「怪獣男爵~~~???」と思うのか、それともある程度、脳の移植なんてまだ無理よねとわかっている現代だから「~?」となるのか、それはそれで気になる。
今の子はどんな本読んでるのかな?ちなみにうちの子12歳は「ぼくらのシリーズ」が大好きな模様
・・・表紙がわちゃわちゃして目が疲れる。
僕らの七日間戦争は知っていたけど、シリーズ化してるって知ってた?
ちなみに、私の頃はズッコケ三人組だったわねぇ・・・
あ、三人組がそだってる。しかも、はちべえ立候補してる!?
那須先生、すげえな。