落語を絵本にするって、すごーく難しいとおもいます。
落語にはつきもののオチというかサゲって、たぶんに駄洒落だから、絵にするとどうだろう?という気は読む前からもしていましたが、まあ、この落語も駄洒落でした。
でも、川端誠さんの絵がなかなが魅せてくれるので何度で読める絵本だと思います。
内容は、たがや(樽や桶のたが)のおかみさんが、臨月にもかかわらず両国の花火を見に行き、橋の真ん中で産気づいてしまうというお話。
屋形船で繰り出している大店のご主人さんたちも、橋の上からたらされた帯にお湯とたらいと、お寿司と、お酒なんかを下げてやり言います。
「たが屋さんとは、木をあわせ、まるくおさめるご商売。そのおめでたにあやかりましょう。」
ああ、いい人情ですな~
そして居合わせたとりあげばばがこういいます。
「おまえさん、いいかい、きばりすぎちゃいけないよ。
・・・ ・・・
ややこはね、じぶんでよのなかにでてこようとしているんだよ。
はじめてのおおしごとをじゃましないようにね」
わたし、これを読んでがつーんと来ちゃいました。
一回目も二回目も助産師さんのアドバイスを聞けずに、いきみすぎちゃったため、かえって出血とかしてしまったので、今度こそゆっくり産むぞと、決意を新たにしてしまいました。でも、決意とかしてる時点でだめかも。
ケセラセラ、なるようになるさなんだよね、生命の営みなんだから。
そんな感じで、思わず出産に関する極意までさらりと書かれているこの絵本。びっくりアンド感動でした~
川端誠の落語絵本シリーズとして、10冊ほど出ているようです。
ほかのも読んでみたくなりました。