佐藤大のコミック「脳Rギュル」を読んだ。(ノアール)と読むらしい。
先日古本屋で出会ったこの漫画。いつもならあまり手を出さない系のコミックだが原作夢野久作、を見て購入。
古典作品のコミカライズって大好きなんよ。
どうやら、夢野久作の「人間レコード」を跳訳(本当にこう書いてあった)した小説のコミカライズらしい。
なんだか日本でインドカレーの修行をして北欧で店を出す?みたいな。
内容は、確かに夢野久作の作品がふんだんに散りばめられているものの、ストーリはSFアクションかつボーイ・ミーツ・ガール?なんだかジャンルを固定するのが不可能なストーリーだった。
タイトルにもある通り、夢野久作っぽさを「結構頑張って」閉じ込めた作品。
帝都大戦とかが好きな人はきっと好きな世界観。
ただ、集中して読まないと話の筋が入ってこないというか・・・読みづらい一面もある。惜しい!
私は、夢野久作の作品への言及を探すのが楽しかったがまっさらから読むのであればちょっと人を選ぶかも。
登場人物中に「白髪小僧」と「犬神博士」が出てくる。「瓶詰め」の極秘文章の争奪戦といい、「脳」というキーワードといい「夢野久作っぽい」モチーフはほかにもつめ合わされているのだろう。
独特の言葉遣いは夢野久作だからなのか、作者のオリジナルなのか。
「少女ガール」と「青年ボーイ」とか「ふかふかヘッド」とか・・・
大変惜しむらくは「人間レコード」を読んだことがないので、イマイチ拾えてないエピソードとかもありそうってこと。
うん。異色という言葉が一番ピッタリするかも。
アマゾンで「夢野久作」で検索をしたら、新しいカバーの文庫がたくさん出版されていた。ドグラ・マグラの表紙が有名だけどほかのもめっちゃ素敵。
次に読みたい本
こちらが、原作となった人間レコード。どうやらスパイ小説らしいのだ。読まねば。
猟奇歌。こちらも漫画でいくつか引用されていた短歌集。
白髪小僧と犬神博士はなんと親子訳で登場。白髪小僧はとっても愛らしい少年として、犬神博士はダンディなネズミ男みたいな感じだった。
犬神博士のみ既読。
犬神博士は「文豪ストレイドッグス」版の表紙にしてみた。
今日は土曜日で、朝ゆっくりで積読片付けて、これから家の近所の友だちと家飲みである。こんな平和な一日があっていいのだろうか。
最高~