あっという間に寒くなって、師走。いよいよステイホームもう一度の雰囲気になってきた感もある。
こんな時は本を読もうぜ!
お財布が軽かったり、なんかピンとくる本が見るからないときは青空文庫があるじゃないか!
しかし、何せ膨大な青空文庫の本を前にどれから手をつけるか、悩んでしまうそこのあなた。そして私。
そんな時は、「とりあえず名作やしこれ読んどけ」をいくつかダウンロードしおいてはいかが?
今回は文豪ストレイドッグスに出てくる文豪の作品を10作選んでみた。
いざという時に読めるように何冊かスマホに入れとけば、どんなに待ち時間が長かろうと、本屋にすらいけなくなっても何とかなる!
まずは、文豪ストレイドッグスのキャラクター表を。
私も全く読んではいないマンガだけど、この表紙に騙されて読み始めたっていいと思う。
今回選んだ文豪たちはコチラ
- 夏目漱石 こころ
- 谷崎潤一郎 秘密
- 中島敦 文字禍
- 夢野久作 瓶詰地獄
- 江戸川乱歩 押絵と旅する男
- 国木田独歩 武蔵野
- 太宰治 葉桜と魔笛
- 宮沢賢治 [雨ニモマケズ]
- 泉鏡花 高野聖
- 芥川龍之介 藪の中
- おわりに
夏目漱石 こころ
高校の教科書にも載っている名作といえばこれ的な作品。
ただ、教科書は一部抜粋なので全文通してよむとイメージが変わること必至。
難しいイメージもあるけど、読みだすと止まらない。
先生、なぜ今さら!と悶えたくなる。そして、かすかに香るBL的な香り。
100年近く前の人々も心の動きは変わらないのだなぁ。
というか、むしろ今のようにネットですべてを検索できるようになり簡単に発信出来たり、気軽なつながりが持てない分、ものすごく自分の中でこねくり回してしまうというか・・・
繊細な生き物(おじさん)をめでたい方には特におすすめ。
私の感想はどうしても妻から目線になっちゃうので
「そんな自分のことばっかり!」
って思っちゃうけど。
谷崎潤一郎 秘密
秘密に溺れる男。一度、捨てた女をもう一度捨てなおす話。いろんな意味で非道なんだけど、そこも突き詰めちゃうところがすごいのかしら。
わからないから、知りたい。つまり執着する。執着は愛ではないので秘密がなくなればあっさり捨ててしまうことができる。
この男はきっと自分と自分をまとう布切れしか愛せないのかもな。
とにかく、女装に目覚めるときの描写が秀逸。
全く想像だけで書いたん?あんたも女装したんちゃう?と思わず作者に問いたくなる。
中島敦 文字禍
中島敦といえば山月記だけど、こちらもおすすめ。文字の霊などというものがあるのだろうか?から始まる。サクッっと読める1冊。
(そしてサクッと忘れた・・・確かどこかで、めちゃおすすめされていたんだけど)
同じ文字をずっと見ていると「あれ?なんかこれってなんだっけ?」
という気分になるアレの話。(ゲシュタルト崩壊っていうらしいのだが、川原泉のマンガではよくでてくるけど、実際に通常の会話では出てこないよねー)
夢野久作 瓶詰地獄
今はやりの「意味が変わると怖い話」みたいな話。
瓶詰の手紙って、ロマンティックな仕掛けがに見えるけれども確かに中身は地獄でした。
最初の手紙のつたない文章のかわいらしさに胸が痛む。
オ父サマ。オ母サマ。ボクタチ兄ダイハ、ナカヨク、タッシャニ、コノシマニ、クラシテイマス。ハヤク、タスケニ、キテクダサイ。
・・・それにしても二人しかいない島でどうやってあんな文章力を身に着けたのだろう?
江戸川乱歩 押絵と旅する男
いろんなところで引用されている本作。
江戸川乱歩といえば人間椅子とかD坂も有名だけど、「本人だけ幸せそうないかれた人」という設定はこの時代の文豪の十八番なのかしら。
この間読んだ京極夏彦の「魍魎の匣」はこれのオマージュ(だよね??)
国木田独歩 武蔵野
明治時代の武蔵野は今でいう高野山くらいのいやもっとか?東京から行ける
自然が豊かな場所というイメージなのか?
美しい文章で武蔵野の様子がつづられる。落ち着いた人が落ち着いた場所で読むといい。私のようにミステリー好きにはこんなに目撃者もいないのにだれ一人死なないなんてと思ってしまうのでよろしくない。
太宰治 葉桜と魔笛
2020年語でいうところのキュンです。なストーリー
老女の昔語りというていで話は進みますが、上品な語りの中に死に行く妹への思いが詰まっていて、ウルっとなる。
以前ラジオドラマで聞いたことがあって、その時もいいわーって思ったけど、太宰治だったか。
宮沢賢治 [雨ニモマケズ]
教育番組で何回も何回も流れているので、何気に暗唱できちゃう人が多いかも。
褒められもせず、苦にもされないのは無関心だからじゃないのよ。
だって、そういうものに私はなりたいって言ってるんだもんなー。
現代のSNSに巣食う承認欲求お化けどもに爪の垢を煎じてあげたらいいと思う。
いや、お前もな!って言われそうだけど。
泉鏡花 高野聖
こちら、私は水木しげるの漫画版で読んだ。いや、一応原文も読んだ。でもなんというか高潔で流麗な文章という感じ。
水木訳の方は怪しい美女むっちり感とかコミカルな一面がわかりやすくてが出てておすすめ。
つまりは、水木しげるが好きだ。
芥川龍之介 藪の中
事件はすべて藪の中に葬られた、という言い回しを生んだとかうまないとか。
どっちが先か知らないが、だれが本当のことを言っているのか?
正解のないリドルストーリー。
あっという間に読めるし、いろんな人間を信じられなくなるお年頃にぴたりとはまるのでは?
おわりに
文豪ストレイドッグスに出てくるキャラクターの作品で、なるべく30分程度で読めるもので読んだことのあるものを拾ってきた。
夏目漱石 こころだけは、1時間では読めないけど、青空文庫アクセスランキングぶっちぎり1位だったので、とりあえず入れておいた。
唯一、国木田独歩だけが未読だったので、頑張って読んでみた。
それにしても、実在の人物の写真とアニメのキャラの違いがヒドイ。
いや、太宰治とか芥川はかっこいいんだけどねぇ。
谷崎潤一郎とかは見る影もないというかなんというかもにょもにょ。
まあ、だまされて読んだらいい!こんなきっかけで読んだっていい!