三宅香帆の「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んだ。
いや、これ良かった~ストンと胸におちるよ。
【人類の永遠の悩みに挑む!】
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。
なぜ働いていると本が読めなくなるのか?
私もめちゃくちゃ覚えがあるジレンマだった。!
私の場合は社会人になった時よりも子どもが生まれたタイミングで全く本が読めなくなった。あのときは本当にジレンマだったなー(遠い目)
赤子対応って365日24時間だもんね。ほんでそれを断続的に3人育てたんで10年近くコンビニを一人でやってるようなもんだわ。うちはワンオペでしたしね。
今では子どもも大きくなったので、時間はあるがやっぱり読めない。本を広げてもすぐ眠ってしまう(ちなみに私の最近のの読書は8割Audibleで成り立っている)
これ、私は迫りくる老いのせいだとばかり思っていたが、それよりも「余裕がなささすぎる」のが原因なんじゃないかと作者は言う。
なぜ働いていると本が読めなくなるのか。
それは、時間がないというより余裕がないからだ。
「本」という媒体は得るものが多すぎて、その知りたいこと以外のことを(ノイズ)と判断してしまうのだ。
情報=「知りたいこと」
知識=ノイズ+「知りたいこと」
ネット記事を読むのと新聞を読むのとの違いのように、自分に今必要なことを能動的にすぐに知ること、そのほうが早く結果が出て効率がよい。不要な情報をしる必要もない。
ただ、新聞を読んでいた頃のように興味がない分野の記事を読むことはなくなるので、知識の幅の広さは身につかない。
なるほどね~
確かに、スマホのショート動画は「知りたいこと」だけ「効率よく」無限に流れてくる。
曰く、これ知らないと損です。といわれて早口でまくしたてられるライフハックやTipsが役に立ったことはない。せいぜい物欲・食欲が刺激される事はあるくらいか。
・・・でもやめられないんだよーーー自分でも怖い。
TickTock見つづけオバサンというあだ名が付いたらどうしようってくらい見てる。
脳にスがホゲている※なーと思いつつ見てる。
※スがほげるはおそらく方言だが、これをただしい日本語でなんというのかわからんいのでご容赦あれ。プリン作るときに温度が高すぎたら不味くなるあの状態
さて、この新書はこの画期的な気づきだけでは終わらない。
じゃ、どうしたら良いのだろう・・・となって我々の働き方を変えて行くしかない、となるのだ。
全身全霊をやめよう
仕事だけしていたらどんなに楽だろう。もしくは育児だけで来たらどんなに楽だろう。と思うことがある。育児なめとんのか!と思わんでもないが、実は何も考えずに全身全霊でそれだけを行うのは「楽」なのだ、と作者は言う。
だが、それで良いのか。あれほど好きだった本も読みたくないほど仕事だけに人生を使って良いのか?
そう、誰だってそんなの望んでいない。
仕事以外の自分人生のもつために、全身全霊をやめよう。
私たちは今まで、「全力をそそいで頑張ること」を称賛しすぎていた。
本も読めないような大人だらけの国は嫌じゃないか。
5人の正規雇用の男性の仕事を10人のバラエティに富んだ人たちで分け合って、全身じゃなくて半身で働こう。
全くごもっともな内容。本が読めない理由から、日本の労働の仕方の返還まで語られていて、なるほどねーがいくつも飛び出した。
働きながら本を読むコツ
あとがきで、やっと皆がこの本に期待しそうな内容が出てくる。
働きながらでも本が読みたくなるコツ6選
- 自分と趣味の合う読書アカウントをフォローする。
- ipadを買う(どこでも本が読める)
- 帰宅前のカフェ読書を習慣にする
- 書店に行く
- 今まで読まなかったジャンルに手を出す
- 無理をしない。また読みたくなるときが来るのを待つ。
私だったらこれに、本読み上げサービスAudibleを付け加えるね!
(参考:AIが教える本の虫へのアドバイス)
次に読みたい本
最近、教養~と付くタイトルが増えたけど、そもそも幅広い知識を持つことが教養なのに、かいつまんでビジネスに必要な情報だけを得ようとする人達が増えている。
(ってことをきっと書いてあるんだと思われる)
そう指摘されると、確かにちょっとかっこ悪い。