iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「どうせ死ぬんだから」私はまだまだひよっこですわ

和田秀樹の「どうせ死ぬんだから-好きなことだけやって寿命を使いきる」を読んだ。

子どもに読ませたくない本ならぬ、親に読ませたくない本かも。

 

50万部超の大ベストセラー『80歳の壁』の著者、和田秀樹先生が35年以上の高齢者診療で辿り着いた「極上の死に方」について説く。
・体にいいものよりラーメン週5
・金持ちより思い出持ち
・持つべきは地位や名誉より死生観
・「極上の死に方」を決めるのは医者ではなく自分
・終活なんかいらない
・人生の最後は「貸し」を返してもらおう
……などなど、食生活や財産、医療との付き合い、死後のことまで、逝き方上手な高齢者から得た具体的な提案が満載。
「家族がいても、ひとりでも、ボケても、寝たきりになっても、どうせみんな死ぬんだから。
自分の死について考えることは、人生をよりよく生きるために最も大事」と語る著者の老いの本決定版!
後悔せずに、納得して最期を迎えるために必読の書です。

 

タイトルにすべて書かれていると言っても過言ではない、全うなことが書いてあるけど今まであんまり医者が言わなかった死生観に付いての本。

 

確かに人間はかならずいつかは死ぬんである。

早いか遅いかを別にして、必ずやってくる死を恐れすぎては行けないのだ。

死を恐れすぎて、たくさん我慢をしてクオリティオブライフが低いまま少々寿命をのばしてたのしいか、とおっしゃる。

 

確かに、辛過ぎる食事制限をしてあと20年生きるか、食べたいものを食べて15年生きるかみたいなトレードオフ。その差がどのくらいだったら順当なんだろう。

酒をやめたら10日寿命が伸びるとかなら飲む。10年だったら辞める。ただ、3年とかだとうううむ。悩む!

 

医者でもある和田先生は血圧が170らしい。私も血圧高くて薬飲んでるんだが、170とかなったらまあまあ医者に怒られるレベルよ。医者なのに別の医者に怒られて「そのくらいがちょうどいい」とうそぶいている、かっけー。

 

筆者いわく、健康診断は受けない。わざわざ病気は見つけない。(というか病気を見つけて薬代を儲けさせるだけだとまで。いや、あなたお医者さん)

 

話は、いろんな血液検査の値だけでなく国の介護保険制度の話にも切り込んでいく。

 

いわく、われわれ働いているときにたくさん税金をはらっているんだから、老後のお金について心配しなくても良いんじゃない?
公的サービスうまく使って使い切って死んだらいいのよ、払ってるものを死ぬ前に返してもらうと考えた等ええやん。ってこと。

 

確かに、北欧なんかは税率めちゃうくちゃ高いけど福祉制度が充実しているから文句も起きないらしい。

 

一方日本では、「お上の迷惑になりたくない」とか「人様のお世話になりたくない」なんていって、生活保護とか介護サービスを断るご老人が多いらしいし、確かに私達の中にも、身内から生活保護者を出すなんてもってのほか、親族で踏ん張れ、みたいな風潮はある。が、果たして本当にそうなのか?

 

税金、結構払ってるのに、教育の無償化も実現しないし、高齢者だって行き場がなくて自宅介護で家族が疲弊仕切ったり、介護離職がおこるってなんかおかしくなーい?

 

そんなことを言うと思想ツヨ!とか言って愉快じゃない展開になるからあんまり言わないけどさ!あと、強いこと言うには勉強不可欠だがら、いまいち黙っちゃうけどさ!

 

そろそろ胡麻たちも油がきれってかすっかすですよ、お上!


この本を読んで、親に読ませたくないと書いたけど、理由は高齢者が運転を辞めると行動範囲が狭まって認知症になる確率がぐんっと上がるらしい。

 

それこそ先日父がとうとう運転免許更新を諦めたといってみんなで褒め称えたのだが、

えー、やっと免許を手放す決心をしてくれたのに、これ読んだらまた心が揺らぐ。

 

確かに高齢者の運転免許については、完全の社会同調圧力だもんなー。
万一のことなんて高齢者じゃなくても起こるし。もはや、子どもの世間体が悪いから運転やめてくれという側面はある。え、まだ運転させてるの、という同調圧力を子ども世代も感じているのだ。

 

運転をとりあげたら、今度は高齢者の歩行者はとても危ないので、こっちをなんとかしてほしい、トシヨリは家から出るな、ってなる予感。

 

どうしよう、私達が後期高齢者になったら「うわ、あの人80歳超えてるのに外歩いてる。いかがなものか」みたいになってるかも。

冗談抜きで、「夜の高齢者のウオーキング」は「未就学児の独り歩き」くらい通報案件になってそうである。

 

ただね、

人生をそれこそ「使い切って」終わらせるってすごく聞こえはいいけれど、終わりがいつ来るかは誰にもわからないから難しい。
家族や周りを安心させるためのお付き合い治療、お付き合い節制もしてほしい。

どうせ死ぬから好きなもん食べるんじゃーい、と言われても。いやいや、その生命自分だけのものと思ってるとそれはちょっと違いませんか、ってなる。

 

まあ、素直に子供の立場からしたら長生きしてね。といえば良いのかもしれんけど。

 

私もいつ死ぬかわかんないし、先日の健康診断の要再検査は一端スルーしてみるか。

っていったら、娘にめちゃ怒られた。ほら。

 

次に読みたい本

「どうせ死ぬんだから」ってなんか似たような名前の小説あったよなと思ったら一緒に検索に上がってきた。

 

なんだろう、全く読んでないけど想像で語るとムカつく姑との付き合いを我慢している嫁、みたいな?
もしくはモラハラ旦那の食事にちょっとずつ毒を混入して怒りを押し殺す嫁、みたいな?