寺井奈緒美の句集「アーのようなカー」を読んだ。
この世のいとおしい凸凹
どこまでも平らな心で見つけてきた、景色の横顔。
面白くて、美しくて、悲しくて、ほんのり明るい。
(東 直子)
【5首】
改札を通るときだけ鳴く鳥をだれもが一羽手懐けている
柴犬の尻尾くるんの真ん中の穴から見える極楽浄土
耳と耳あわせ孤独を聴くように深夜のバスの窓にもたれて
路上にはネギが一本落ちていて冬の尊さとして立て掛ける
なくなれば美しくなる でもぼくは電線越しの空が好きです
(アマゾンより引用)
タイトルは、カラスの鳴き声を歌った句から取られている。
「私がカーと鳴いたらアァーと応えてくれ、どこにいても」と言った意味だったように思う。まんまと忘れたけど。
週末大きな図書館に行き何冊か句集を借りたのだが、最近の句集はなんとまあおしゃれなこと。最近じゃない句集は読んだこともないけど。
古今和歌集とかなのか?しらんけど。
句集ってあまり読んだことがなかったけれど、読むスピードが詠うスピードに見合っていないというか、一首の中に凝縮されたストーリーがあるのに、思わず目をすべらせて読んでしまって消化できないような、もったいない気分になる。
お気に入りの句なんかは、書き写して何度も読んだりするの、素敵かも。
自分だけがたのしむってことで、そこは著作権とかややこしいことは勘弁してもらって、御朱印帳見たいな趣のあるノートに「自分選集」とかさ。
あーいいねぇ。絶対続かない自信があるけども。
さて、この寺井奈緒美という歌人、しらべたら趣味は縁起のよい土人形を作ることとな。か。かわいい!私もつくりたい!
https://images.app.goo.gl/TAX6JwtPeESCnv899
どんどん短歌から離れてしまうが、大丈夫。
現代短歌というものはおしゃれなクリエイターの作るものなのだ。
何かを作りたい気持ちが短歌に現れるときもあれば、土粘土に現れることもあるのだろう。
思わす検索に検索を重ねめちゃくちゃネットサーフィンをしてしまったぜ。
全般的に、恋だの愛だのの歌と言うより、そこに目つけましたが、あるある!でも流石!と言った感じの歌が多い。(わかるかしらこの説明で)
「令和の日本で、隣の街で生活している人」のような親しみを感じる。
きっとこの人は、いまも日常を切り取り掬いあげるために気持ちを研ぎ澄ましているのだろう。
短歌、なかなか楽しい。
次に読みたい本
タイトルのカーにちなみましてカラスの教科書。
ヤバ、カラスの生態めちゃくちゃおもしろそうやん。
カラス好きの必読書とな。ニッチ・・・