穂村弘の「ラインマーカーズを」読んだ。
1990年に歌集『シンジケート』でデビューして以来、
短歌、エッセイ、評論、絵本、翻訳と、
日本のカルチャー・シーンのただ中を疾走してきた歌人、穂村弘。
最初からパラパラと読んでしまって、手紙魔のまみというキャラがいる一連の短歌と知らず戸惑う。
すごくいいなあと思う歌もあれば、なんやよーわからん!と思う歌もあり。
判らないなりに、そういうもんだとおおらかに受け止められらようになったのは年の功か。
若い頃はわからないことをが悔しくて、この本は嫌いと言ってたかも。
前半、シンジケートから選ばれた短歌はなんか80年代の匂いがすると思ったら、刊行が90年だった。
なんだか、もう戦後ではない事をみんなで確かめ合っていたあの頃の匂いがするわ。
後半の字余りと字足らずの句が多い手紙魔まみシリーズは、
言葉のリズムを掴むのが難しいので何度も読む。
何回かそらんじていると、ビターっとハマる瞬間がある。
でも読みこなせない歌もある。
そんな事を考えながら好きな歌を何個か引用。
子供よりシンジケートをつくろうよ「壁に向かって手をあげなさい」
サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつなきこわいさみしい
終バスにふたりは眠る紫の<降りますランプ>に取り囲まれて
タイトルは、あとがきに書かれた句からきているみたい。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、きらきらとラインマーカーまみれの聖書
聖書はたくさんの論争も産む。
この句は、大事なところだらけだと思って色とりどりのペンで書き込んでしまって、いったい何が大切なのか分からなくなってしまったそんなよ明日を表しているのだろうか。
うーん、短歌の感想って難しい。
次に読みたい本
短歌を題材にした今日発売の漫画。おもしろそう。
三十一文字の呪文ってことかな?